コロナで爆発した「在宅勤務できない人」の怒り アメリカ「反封鎖デモ」参加者たちの言い分

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「こいつ(外出禁止令)は俺たちの商売に深刻な影響を及ぼしている」と語るのは、抗議集会に参加した農夫のダン・シラーだ。「政治家は給料をもらい続けているくせして、俺たちには働くなとか営業するなとか言いやがるんだ」。

同じ日に約2500人が参加したワシントン州の抗議集会では「反逆」が中心的なテーマになっていた。

自分の人生は自分でコントロールせよ

参加者たちは「1776年のように抵抗せよ」といった反抗のフレーズが書かれたプラカードを手にしていた。主催者の1人はこの集会が、「1発の銃声が世界を変えた」としてアメリカ独立戦争勃発のきっかけとなった事件と同じ日に行われたことに快哉を叫んだ。

極右民兵団体の「スリー・パーセンターズ」も参加していた。この団体名は、アメリカ独立戦争で武器を手に取って戦った(と同グブループが考えている)入植者たちの数、つまり3%に由来する。

スリー・パーセンターズの旗を振りながら抗議集会に参加したマイク・ラディーンズは、アメリカが何らかの戦争に向かうことは望んでいないとしながらも「歴史は繰り返す」と述べた。

集会にはワクチンや政府について陰謀論を唱える非主流派の組織も参加していた。現職の共和党議員や公職に立候補している人たちの姿もあった。

そのうちの1人、ロバート・サザーランド州議員が「革命」を呼びかけると、大きな拍手が沸き起こった。同氏はこうけしかけた。自分の人生は自分でコントロールせよ、自分の商売の営業や外出についても自分で決断せよ、公衆衛生の専門家の助言とは関係なく——。

サザーランドはインタビューで、「革命」という言葉を使ったことに暴力的な意図はなかったと述べた。ただ、もし政府が外出禁止令を延長したり、違反者に対して厳しい取り締まりを続けたりすれば、より多くの人々が抵抗を始めるだろうと予告した。

「とても暗い場所に向かっている」とサザーランドは言った。

(執筆:Julie Bosman記者、Sabrina Tavernise記者、Mike Baker記者)

(C)2020 The New York Times News Services 

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