東大生が絶賛「頭がよくなるボードゲーム」3選 「推測力、語彙力、創造力」を自宅で鍛える

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まずは、楽しみながら世界史の勉強にもなり、さらに「推測力」まで高めてくれるゲームをご紹介します。

ボードゲームは楽しみながら勉強にも役立つ

1:推測力を鍛えてくれる「タイムライン」

最初にご紹介するのは「タイムライン」というゲームです。僕はこのボードゲームを初めてプレイしたとき、「こんなに世界史の勉強になるゲームがあるのか!?」と驚きました。

「タイムライン」(画像をクリックすると、アマゾンのページにジャンプします)

どんなゲームなのかと言いますと、歴史上の事件や発見や発明が書かれたカードがあり、それを実際の年代順に並べることができるかを競うゲームです。例えば、人類が月面に初めて到着したのは第2次世界大戦の前か後か? 世界で初めてファストフード店ができたのは冷戦が始まる前か後か? 気球ができたのは大航海時代の前か後か? そんなふうに、いろんな世界史上の出来事の「順番」を考えていくゲームです。

「え? それって、年号とかを覚えていればそれで終わりってゲームじゃないの?」と思うかもしれませんが、違うんです。ある程度、カード同士の関連性から推理が可能なようになっているのです。

例えば、第2次世界大戦と活動写真(つまり映像・映画のこと)の開発って、どちらが早かったと思いますか? この問いに答えるのに、年号を覚えている必要はありません。きちんと時代の流れを理解していれば簡単な質問です。

第2次世界大戦の前には、各国政府が映像によって国民を鼓舞したり国民の心理を掌握していた様子が残っています。例えばナチスドイツは「プロパガンダ」として映像を使っており、プロパガンダ映画やナチスのコマーシャルをたくさん流していました。このように映像は、第2次世界大戦で各国の国民が団結する要因になったといわれています。ヒトラーの演説の様子を動画で見たことがある人もいるのではないでしょうか? あれは、この当時に使われていた動画の一部であることが多いのです。

そして、世界大戦は子どもや女性も含めた国民が総出で戦う「総力戦」になった、というのは教科書に書いてあることです。映像はこの「総力戦」を後押ししたのかもしれないというように、時代の流れを推理し、出来事同士を関連づけて考えることを、このゲームは後押ししてくれます。

この「映像」と「第2次世界大戦」のような「時代の並び(タイムライン)」は、多くのことを考える契機になります。ある出来事が世界にどのような影響を与えたのかを考えることは、歴史を勉強するうえで非常に役に立つのです。

ちなみに東大の世界史の入試問題でも、個々の出来事よりも出来事同士を結びつける問題が出題されています。東大入試では毎年、指定語句が8〜9個与えられ、その語句同士をいかにつなげるかが鍵になっている問題が出題されます。

関連性の理解によって歴史を深く洞察する……これは重要な勉強であり、東大が重視しているものなのです。「タイムライン」をプレイすることによって、そんな視点が身に付きます。皆さんも、このゲームで時代の流れをつかむ勉強をしてみてはいかがでしょうか?

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