ミニシアター支援「3日で1億円」集まった背景 クラウドファンディングは芸術家を救うか
世界中がコロナ禍に巻き込まれる中、各国のアーティストたちも大きな打撃を受けている。日本でも映画館や劇場、美術館といった人が集まる施設は感染防止のために閉鎖せざるをえない状況だ。
そんな状況を打開すべく、クラウドファンディングの運営会社「MOTION GALLERY(モーションギャラリー)」で始まったのがミニシアターを支援する「ミニシアター・エイド」だ。集まった金額は、全国のミニシアターに配分される。開始から3日間で、支援額は1億円を突破し現在も増え続けている。その狙いと、クラウドファンディングで国内最速1億円突破を達成できた理由について、モーションギャラリー代表の大高健志氏に聞いた。
3日で1億円を突破した「ミニシアター・エイド」
大高氏は早稲田大学を卒業後、外資系コンサルティングファームに就職。その後、東京藝術大学大学院で映像制作を専攻し、2011年にモーションギャラリーを立ち上げた。
クラウドファンディングとは、インターネットのプラットフォーム上でプロジェクトを立ち上げ、広く多くの人から支援金を募る仕組みだ。支援金のリターンとして、映画プロジェクトであれば鑑賞チケットなどが贈られる。
モーションギャラリーは代表者の経歴からも、アート系のプロジェクトが多く、これまでモーションギャラリー上で集まった金額は計30億円にのぼる。
「ミニシアター・エイド」の発起人は、大高氏と映画『寝ても覚めても』で知られる濱口竜介監督、映画『よこがお』の深田晃司監督らだ。支援対象は、全国のミニシアターと呼ばれる小規模映画館。
【2020年5月1日8時40分追記】初出時、発起人の人数に誤りがありましたので上記のように修正しました。
大型シネマとは異なり、ミニシアターは中小企業や個人によって運営されていることが多いため、一度キャッシュフローが止まるとすぐに倒産の危機に直面する。また、立ち上げには数億円規模の費用がかかるケースもあるため、「一度倒産してしまえば、その街から永遠にミニシアターが消えてしまうこともありうる」(大高氏)。
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