アメリカで始まった「百貨店倒産ドミノ」の悲惨

ニーマン・マーカースは破産法申請へ

少なくとも、かつて多頭竜ヒュドラの群れのようにアメリカ大陸全土に散らばっていた百貨店のチェーン網は大幅に縮小されるとみられている。

不動産調査会社グリーン・ストリート・アドバイザーズの1月のリポートによれば、百貨店チェーンはアメリカのモール総床面積の約30%を占め、うち10%がシアーズとJCペニーによるものだった。パンデミックの前ですらグリーン・ストリート・アドバイザーズは、モールに店舗を構えるデパートの半数が数年内に閉店すると予測していた。

ネットでは実店舗の落ち込みとても補えない

確かに百貨店もアプリやウェブサイト、注文商品の店頭受け取りサービスなど、ネット通販に合わせて変身を試みてきた。だが、今回のパンデミックで浮き彫りになったように、デパートの売り上げは今も実店舗依存だ。メイシーズは3月30日、2週間近く店舗を閉鎖したことで売上高の大半が失われたと述べた。

アメリカ商務省が今月中旬に公表した3月の小売売上高は惨憺たる結果だった。3月にはわずかな期間営業していた店舗もあったが、4月は休業の影響がフルに響いてくるため、数字はさらに悪化するとみられている。

百貨店会社は生き残りに向け過激な策を打ち出さなければならない状況になっている。昨年、カナダの小売企業ハドソンズ・ベイからロード・アンド・テイラーを買収した衣料レンタルサービスのル・トートは4月2日のメモで、同チェーンの経営陣は最高経営責任者も含めて全員が直ちに解雇されると発表した。同社はまた、「当社の流動性ポジションに対する多大なプレッシャー」を理由に、業者への代金支払いを少なくとも90日遅らせている。

ブルーミングデールズを傘下に持つメイシーズは商品・サービス料金の支払いを60日から120日に延期。ロイター通信によれば、新たな資金調達方法を探るため投資銀行のラザードから銀行家を雇い入れてもいる。最高経営責任者のジェフ・ジェネット氏はこの危機の間、いかなる報酬も受け取らない。メイシーズは3月、時価総額が基準値を下回り、株価指数S&P500の構成銘柄から除外された。

JCペニーは事情を知る2人の関係者によると、再建の選択肢を探るためにラザードのほか、法律事務所のカークランド・アンド・エリス、およびコンサルティング会社のアリックスパートナーズと契約した。これら2人の関係者は、同社が先週、利息の支払いを行わなかったことを認めている。破産申請の可能性も含めて数週間以内に方針が決定されるもようだ、と関係者の1人は語った。

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