データによって、ニューヨーク市(アメリカのコロナウイルス危機の震源地となっている)で感染爆発が起きたこの1カ月おいて、感染が確認された地区の多くは、平均収入が最低レベルだということがわかった。最大のホットスポットには、サウスブロンクスやクイーンズ西部のコミュニティが含まれている。
ニューヨーク市保健衛生局が収集したこのデータは、この1カ月に市内で4万人以上が感染し、1000人以上が死亡したアウトブレイクの概要を初めて示すものだ。
3月に緊急処置室の来訪者が急増
新型コロナウイルスは市内のほぼすべての場所に広がり、マンハッタンやスタテン島など、裕福な地域でも症例が増えている。しかしこれは、上記の地域の検査体制が充実していることが原因かもしれない。陽性例の割合が最低だった20の地域のうち、19が裕福な地区だった。
新型コロナウイルスの特徴である「インフルエンザのような症状」で市内の53の緊急処置室を訪れた患者に関するデータを分析すると、さらに特筆すべきパターンが表れる。
前年の同じ月と比べると、今年に3月に熱やせき、喉の痛みなどの「インフルエンザのような症状」で市内の緊急処置室を訪れた患者は、全体で3倍に増えていた。過去4年間、3月に緊急処置室に来たインフルエンザ関連の患者は平均で9250人。今年の3月はそれが3倍となり、およそ3万人に達した。