NYタイムズ「危機的状況」でどう報じているのか

担当の垣根を超えて総力戦で挑んでいる

新型コロナウイルスの「震源地」となっているニューヨーク。(写真:oshua Bright/The New York Times)

タイムズ・インサイダーは、私たちが何者なのか、そして何を行っているのかを解説しつつ、私たちのジャーナリズムがどう成り立っているのか、その舞台裏を届けている。

新型コロナウイルスが世界中に広がる中、ケタ外れに重大な物語を報道するという任務が、ニューヨーク・タイムズの編集局に課せられた。十数もの部署、そして複数の大陸で働くジャーナリストたちが奮闘し、担当を入れ替えるなどしながら、その任務を遂行しようとしている。

ファッションや文化担当記者も参戦

スタイルズ(ファッション)およびエクスプレス(速報デスク)の担当記者は現在、メトロ班のデスクに原稿を送っている。スポーツ・文化担当のジャーナリストは、国際ニュース向けの「ライブ・ブリーフィング(随時更新ニュース)」を担当している。

「意思の疎通や作業の流れをきちんと踏まえながら、同一のページに全員の力を結集することは、複数のデスクにまたがる多大な労力を伴うものだ」。デジタル報道およびトレーニング担当上席エディターのメリッサ・ホッパートはこう語る。同氏やその同僚は、編集局の再編成や臨時取材担当の割り振りという、後方支援に従事している。

ライブ・ブリーフィングは、特定のテーマごとに記事を絶えず更新する取り組みで、タイムズの多くの報道の基盤となっている。そして、この取り組みによって、ニュース組織における報道部門間の通常の境界線が曖昧なものになってきているのだ。

ホッパートらは記者およびエディターのリストを持っており、こうした記者・エディターを周期的にブリーフィング担当として配置できるようにしている。そのリストは日々、膨れ上がっている。

あるニュースが発展する中におけるライブ記事の有用性は、トランプ大統領の弾劾裁判の際、タイムズのワシントン支局において明白となった。ページデザインや体裁は、ビジュアル・ジャーナリズムを担当する副マネージングエディターであるスティーブ・デュエネスの尽力によって形作られた。

タイムズの最初のコロナウイルスのライブ・ブリーフィングは1月23日、香港支局によって行われた。新型コロナウイルスの拡大の初期段階であり、その感染事例がまだおおむね中国本土にとどまっていたころだ。

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