以降、ライブ・ブリーフィングは毎日、一日中配信され、その管理は香港、ロンドン、ニューヨーク本社の編集部で、交代で行われた。コロナウイルスのブリーフィングは、かつてないほどに世界中のオンライン読者の関心を呼んだ。
「タイムズがこれまで行った中で最長のライブ配信だ」。副マネージングエディターのレベッカ・ブルーメンシュタインはこの話す。「私たちがこれだけの規模で何かを行ったことは、いまだかつてない」。
増えていくライブ・ブリーフィング
タイムズは、2つの追加のライブ・ブリーフィングを制作中だ。1つは世界の金融市場をカバーした内容であり、もう1つはニューヨーク市に影響を与えている医療および経済の非常事態の深刻化に焦点をあてた内容だ。
国際エディターのキム・ファラロは、国内やその他の担当デスクとの密接な協力のもと、エクスプレス担当デスクのダグニー・サラスとブリーフィング担当エディターのアンドレア・カンナペルとも連携して、主軸のコロナウイルスのブリーフィングを指揮している。
ほぼすべてのデスクのエディターと記者が、自発的にブリーフィングの作業負荷軽減に協力してきた。ほかのスタッフ、特に速報を担当したことがある経験者は、デジタルの最前線担当にスカウトされた。
文化面向けにクラシック音楽やダンスをカバーするマイケル・クーパーは最近、国際ブリーフィング部門のリライト記者としての業務が割り当てられた。これにより彼は、大量にあふれる情報の処理とレポートを迅速に行う必要に迫られている。「消防ホースから情報をがぶ飲みするような仕事だ」とクーパー氏は話した。
その仕事は、彼の専門領域に含まれている。クーパーは以前、タイムズの国内記者、市庁舎担当記者のほか、大統領選挙戦を取材する政治担当記者、さらにオルバニー支局長として勤務した経験があるのだ。
「これはアメリカ連邦議会だけで起きているニュースではない。イギリスの首相官邸でも、フランスの大統領官邸でも、中国でも起きている医療分野のニュースだ。とてつもなく多くのことが起きているのだ」とクーパーは話す。
ほかの多くの者たちは、そのスキルを別の目的に利用している。
ニューヨークのエクスプレス担当のカレン・ズライクは2月、香港に派遣され、ブリーフィング業務を手助けした。ズライクは、エクスプレスを担当する前は国際担当エディターだった。彼女は3月初めに香港からニューヨークに戻った際、国際ブリーフィング部門の一翼を引き続き担った。