1970年代「今でも語り継がれる名車たち」の足跡 日本カー・オブ・ザ・イヤー前史の思い出
1970年に始まった「カー・オブ・ザ・イヤー」の歴史。その初代選考委員に、自動車界の権威に交じり、若き日の筆者の姿があった。感性でクルマを語る、希有な存在感は当時もいまも変わらない。その筆者が語る、カーオブザイヤー黎明期の思い出。
日本カー・オブ・ザ・イヤーの前身イベント
「日本カー・オブ・ザ・イヤー」、通称COTYの歴史は1980年から始まっている。
僕も初めから審査委員を務めさせていただいたが、あるときから、訳あって徳大寺有恒さんと共に退くことにした。その後は第3者として審査結果を見ているが、毎年、楽しみにしている。
ところで、日本カー・オブ・ザ・イヤーは上記のように1980年から始まった。が、その母体になったイベントは1970年に生まれている。
モーターファン誌が主催した「Car Of The Year」がそれだ。
選考委員は、当時の自動車のテストでは、最も権威のあった「モーターファン・ロードテスト」を担当するメンバーが中心。
そこには、日本の自動車産業に大きな影響力を持つ自動車工学関係の高名な研究者が多く参加されていたが、その方々が選考委員の中心になった。
加えて、同誌に寄稿していたライターも少数加わった。その中の1人に、まだ駆け出しの僕が選ばれたのはとても名誉なことだった。
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