YouTubeに「有名芸人の参入」相次ぐ3つの理由 若手だけでなく宮迫博之や東野幸治も参入

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さらに、最近ではテレビの第一線で活躍する芸人のYouTube参入も相次いでいる。4月1日には千原ジュニア、小籔千豊、フットボールアワー(後藤輝基、岩尾望)が『ジュニア小籔フットのYouTube』というYouTubeチャンネルを開設した。

テレビで活躍する芸人のYouTube参入が相次ぐ(画像:YouTubeチャンネル『ジュニア小籔フットのYouTube』より)

4人はかつてテレビ東京の深夜番組『ざっくりハイタッチ』にレギュラー出演していた。この番組はディープなお笑い好きに愛されるような前衛的な企画が多く、業界関係者の間では常に話題になっていた。

彼らのように現役のテレビタレントである芸人が複数集まってYouTubeチャンネルを新たに立ち上げるというのは珍しいケースである。この事例が成功すれば、同じようなことを始める人がもっと増えるかもしれない。

東野幸治は娘とラジオに挑戦

また、一線級の芸人のYouTube参入の新たな事例として注目を集めているのが東野幸治のYouTubeチャンネル『東野幸治の幻ラジオ』である。

その名の通り、ラジオ形式で音声だけのコンテンツを配信している。もともと4月にラジオ番組が始まる予定があったのだが、スポンサーが見つからずに企画が流れてしまった。そこで、どうしてもラジオをやりたかった東野は、自らの手でYouTubeチャンネルを立ち上げることにしたのだという。

このチャンネルを作るにあたって、彼は事務所の力を借りることなく、個人レベルで制作をしている。東野が「娘D」と呼んでいる実の娘がディレクターを務め、音声を編集してYouTubeにアップロードする作業を担当している。東野のような大物が、家族の協力を得て手作りでチャンネルを運営しているところが面白い。

江頭のようにテレビに出る機会の少ないアングラ芸人や、テレビに出られなくなってしまった芸人がYouTubeを始めるのは比較的理解しやすいのだが、テレビに出ているような芸人まで次々にYouTubeに参入している理由は何か? 第一に考えられるのは、テレビではできないことをやるためだ。

現在の地上波テレビでは、芸人が本気で打ち込めるようなお笑い要素の強い番組を作ることが年々難しくなっている。そのため、芸人はそれが実現できる環境を外に求めるようになっている。もちろんライブという形もあるのだが、より手軽に、より多くの人に向けて発信をしていくためには、YouTubeというメディアが有効だ。

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