「3年後離職率」を徹底解剖! 「3年で3割」が目安、代替指標は採用数と従業員数
だから、NA(No Answer)の場合は、これより高い可能性も大いにあります。高い数字を出すよりは秘密にしておいたほうが印象がよいからです。最新の『就職四季報』によれば、2010年入社者の平均が10.6%、2011年入社者が10.7%と「3年で3割」よりもかなり低く、直近で下げ止まったものの、趨勢は年々下がる傾向にあります(参考:2008年入社者11.2%、2007年入社者12.8%)。
これには、掲載会社が比較的労働環境のよい大手有力会社が多いということもありますが、離職率が高い会社がNAにすることも効いていると考えられます。
最新版でNAとなっている会社の割合は、2011年入社で26.2%となっています。裏を返せば75%の企業が新卒3年後の離職状況を開示しているということです。
ちなみに、このNAの割合は、有価証券報告書で開示義務のある平均年収よりは高いですが、残業時間や昇給率よりも低くなっています。就職四季報はNAばかりと言われますが、企業側も出したほうがメリットになる数字は開示するといえるでしょう。
採用数と従業員数で不審な会社が読み取れる!
とはいえ、さして離職率が高いとは思えない会社でもNAになっていることはありますし、就職四季報に全社が載っているわけでもありません。見たい会社の離職率がわからないという場合には、採用数と従業員数を見てみましょう。離職率がNAでもこの2項目の開示率は9割を超えます。就職四季報に載っていない会社でも、『会社四季報』や『会社四季報 未上場会社版』なら載っていることがありますし、この2項目なら採用ページなどで公開している会社も多いです。
下のグラフは、ある会社の従業員の推移を『会社四季報』でたどったものです。季節は「春号」「夏号」ではなく、掲載号の調査年月をおおよそ実際の季節に当てはめたものです。