理事長の髙森氏によると、健常者は1日800本ほどのおしぼりを包装するが、(生徒は)最初1日200本ほどだった。加藤氏や母親が言葉では理解しにくいことは手本を見せて、教えた。今では、障害者56人のうち、トップレベルになったという。
生きると思える職場をみつけた
ここで紹介した2人の障害者の就職は比較的スムーズに進み、長期雇用に至っている。その原動力は、2人の教諭と雇い入れた会社やNPO法人の力によるものだ。何よりも障害者の特性や性格、適性を見抜き、それが生きると思える職場を見つけ、2社に熱心にアプローチした教諭の力だと私は思う。加藤氏の次の言葉が、強く印象に残った。
今回取り上げた障害者の就職の舞台裏は、新聞やテレビのマスメディアではほとんど報じられない。障害者の就職の舞台裏には健常者の就職で見失いがちなことが凝縮されている。
2人の教諭が障害者の職場を探す執念に近い思い……。取材の場で教諭にじかに接している筆者も、その静かな迫力や情熱にこみ上げてくるものがあった。障害者の就職から学ぶものは多い。健常者は、この事実にもっと目を向けるべきではないだろうか。
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