自粛生活で「シルバニアファミリー」が人気の訳 大人になって開拓する"新しい楽しみ方"
シルバニアファミリー公式Instagramアカウントのフォロワーは10万人以上、Twitterも6.6万人を突破。エポック社によると、マーケティング本部は20人。ソーシャル担当実務は、女性社員3人が担当しているという。少数精鋭の組織だが、全員でネットに張り付いて、ユーザーからの投稿や情報をチェック。飲料・食料メーカーなど、他社の施策からもヒントを得て、SNSの更新に活かしているそうだ。
「時流に合った投稿が最大のカギ」という同社。以前の投稿は商品のPR写真が多かったが、季節に合わせた写真を作るようになってから、手応えを感じるようになったのだという。「スポーツの試合日程を事前にチェックし、ラグビーやW杯などテーマに合った写真を用意して投稿するようにしてから、多くの反応をいただけるようになりました」(エポック社)。
関東に季節外れの雪が降った3月29日には、雪だるまをつくって遊ぶ人形をPOST。外出自粛ムードでピリピリするTLの癒やしとなり、ファンからも大ウケだった。
35周年と「おうち時間」需要で、さらに盛り上がるか
1985年にエポック社から誕生したシルバニアは、今年で誕生から35周年を迎える。「流行に左右されない本物志向のデザインが、ファンの心をつかんだのではないか」と同社は自己分析する。
シルバニアは女児向け玩具だが、白やピンクなど不自然なカラーリングにはしない。100年くらい前の欧米の暮らしをイメージした本物志向のデザインポリシーが、社内に徹底されているのだという。
誕生当初から開発メンバーは変わっているが、人形の顔は35年間同じだ。ずっと変わらない安心感も、親子2世代で愛されている理由かもしれない。
4月1日からは、シルバニア総選挙が開催中。発売当初から現在までに発表された、100組のファミリーから投票が可能だ。投票初日は、アクセス集中によりサイトにつながりにくい状況も見られた。
今、新型コロナウイルス流行による外出自粛要請が出ている中で、SNS映えする写真を外で撮影することもできない。「お出かけしなくても自宅でかわいらしい写真を撮ることができる」という新たな需要が高まり、ますますファンの熱量は上がっていきそうだ。
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