「偏見に囚われた人」ほど他人を攻撃したがる訳 張本勲も驚愕!キングカズの「切り返し力」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そこでご紹介したいのが「無効化」という方法です。これは、北海道大学の尾﨑一郎氏らの研究です。偏見を含んだ発言というのは、往々にして対象を攻撃するという意図があります。

たとえば、SNSやネットの掲示板で、隣国の悪口を書く人たちがいます。発言者は、その発言によって、隣国の人たちを侮辱したり、傷つけたりしたいのです。そういう意図がないなら、わざわざ公の場に書き込まず、自分の日記にでも書いておけばいいわけですから。無効化という方略は、その攻撃力を削ぐ方法です。

キング・カズの言葉に張本勲も絶賛!

以前、サッカーのキング・カズこと三浦知良さんが、現役を続けていることに対し、元プロ野球選手で野球評論家の張本勲さんから、某テレビ番組で「若い選手に席を譲らないと。団体競技だから、伸び盛りの若い選手が出られない。だから、もうお辞めなさい」などと言われたことがありました。

スポーツ選手の年齢に関する偏見が、もとになった発言です。この発言を受けて、ネットもメディアも炎上しました。しかし、キング・カズは、やはり役者が違います。次のように返したのです。

張本さんほどの方に言われるなんて光栄です。「『もっと活躍しろ』って言われているんだなと。『これなら引退しなくていいって俺に言わせてみろ』ってことだと思う」

張本氏の「侮辱」のことばを「激励」ととらえたのです。これには、世間も当の張本さんも絶賛。

アスリートの先輩に対して顔を立てつつ、攻撃の無効化に成功しました。「反動蹴速迅砲(はんどうしゅうそくじんほう)」というのは、サッカーマンガ『キャプテン翼』の中で、ある登場人物が使う、相手のシュートをそのまま蹴り返すカウンターシュートのことです。

キング・カズの切り返しは、相手の攻撃を見事に返して点を取ったということで、まるで反動蹴速迅砲のようでした。

次ページ人はみな「無意識の偏見」にとらわれている
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事