「偏見に囚われた人」ほど他人を攻撃したがる訳 張本勲も驚愕!キングカズの「切り返し力」

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こういった無効化は、必ずしもすぐに効果が出るとは限りませんし、空振りに終わることもあるでしょう。でも、そこであきらめてしまっては何も変わりません。

不毛に見えても、少しずつ上書きしていくことで、いつか認識が変わるときが来るかもしれない──。そう信じて、意識的に偏見に立ち向かい、矯正しようとする姿勢も大切です。

「無意識のうち」に人は偏見にとらわれる

もう1つ、偏見で気をつけたいのは、無意識のうちに自分が偏見にとらわれている可能性です。「自分は差別をしない」と思っている人でさえ、無意識のうちに差別をしてしまうもので、これは「潜在的バイアス」と言われる現象です。

ワシントン大学のグリーンウォルドと、カリフォルニア大学バークレー校のクリーガーによる調査では、ふだんは人種差別反対主義を訴えている人が42%いたのですが、黒人を見ると無意識のうちに「罪を犯す可能性が高い人々」と反応するという実験では、中立的な人は半分以下の18%だったのです。

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完全に中立的な見方や客観視は不可能と認識した上で、行動することが重要なのです。これを意識するとしないとでは、結果は大違いです。完全に中立、あるいは客観的な見方は無理でも、できる限り意識して、そこを目指しましょう。

客観的な情報も、他者の主観や主観の集合にすぎないかもしれません。ゆえに、それぞれに考えが違うこと、自分を含めていかに主観があやふやで、頼りないものであるのかを理解することが大事です。

さらに、潜在的バイアスという見えないワナがあることを肝に銘じられれば、どれだけ自信があることでも、冷静に、柔軟に物事をとらえられるでしょう。

堀田 秀吾 明治大学教授

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ほった しゅうご / Syugo Hotta

言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を融合した研究を展開。熱血指導と画期的な授業スタイルが支持され、「明治一受けたい授業」にも選出される。研究の一方で「学びとエンターテインメントの融合」をライフワークとし、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書等を多数執筆、テレビ番組にも出演する等、多岐にわたる活動を展開している。

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