短大卒女性より四大卒女性の幸福度が低い理由

高学歴・高所得だから幸せとは限らない?

学歴による人生の満足度や幸福度は変わるのだろか?(写真:itakayuki/iStock)  
前回の記事(「『働く妻』が働けば働くほど不幸になる深刻理由」)で、既婚女性の家庭内の所得の割合が高まるほど、その女性の幸福度が下がるという分析結果を紹介したところ、大きな反響があった。
高所得になれば幸せという単純な結果ではないことがわかったが、所得のほか、最終学歴は女性の幸福度に影響を与えるのだろうか。高学歴女性の学歴・結婚・キャリアを徹底分析した橘木俊詔著『女子の選択』から、一部抜粋・編集のうえ、お届けする。

高学歴の人は幸せか?

男性、女性を問わず、学歴の高い人ほど幸福度は高いであろうと想像しがちである。まずは高い学歴を望んだので、例えば大学に進学したいと希望したところ大学に進学できたので幸せを感じるだろうと予想できる。

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しかも就きたい職業にも就ける可能性は高いし、高学歴が高い所得を保証する程度が高いのも事実であり、一般に高学歴者ほど高い幸福度を抱いているだろうと想定できる。

ところが、である。幸福研究のいくつかは、必ずしも高学歴を保有している人が高い幸福を感じているとは言えない、と主張している。

あるいは学歴と幸福度には直接的な相関がなくて、もし高学歴者が高い幸福を感じているのであれば、ほかの要因(例えば家族関係や人生の楽しさなど)が幸福度を高めている。そういう人にたまたま高学歴者が多いので、あたかも学歴と幸福に相関があるように見えてしまう、との解釈がありうる。

所得の高い人の幸福度は一般に高いが、高学歴は高い所得を与える可能性が高いので、所得という変数もここで述べたほかの要因の有力な候補の1つである。

アメリカでは学歴と幸福の関係についての研究がいくつかある。例えば、長い教育年数を重ねても幸福への直接効果はほとんどなく、あったとしても幸福度の分散をほんのわずかに説明するにすぎない、と結論づけている研究もある(Ross and van Willigen(1997))。

デレック・ボックの『幸福の研究』でも、この研究に関係づけて、確かに教育年数の長い人(例えば大学進学者)には高い報酬の仕事に就く可能性が高いので、高い幸福への間接効果はあるが、大学教育自体がその人に充実した生活を送れるような教育を施したからではないとして、学歴と幸福の間の直接的な関係を認めてはいない。

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