短大卒女性より四大卒女性の幸福度が低い理由 高学歴・高所得だから幸せとは限らない?
次いで学歴別に調べると、最も幸福度の高いのは大学院修了者と短大・高専卒であり、次に四大卒、さらに平均以下の幸福度を示しているのは、専門学校卒、高校卒、中学卒であった。とくに中学卒がいちばん低かった。なお、大学院卒の標本数は少ないので、信頼性に欠けており、ここでは解釈の対象から外す。
ここでの事実で最も興味深い発見は、短大・高専卒が四大卒よりも幸福度が少しではあるが高いことと、中学卒の幸福度がとても低いという2つの事実である。中学卒に関しては、家庭の経済事情で高校に進学できなかった人も多いだろうから、低い幸福度は気の毒である。
意外なのは短大・高専卒のほうが四大卒よりも幸福度の高い事実である。四大卒の女性は魅力のある職業に就ける可能性は高いだろうし、それに伴って収入も高いと考えてよいのに、四大卒の人の幸福度のほうが短大・高専卒の人より低いのである。
仕事と家庭のバランス
通常の想定とは異なるこの事実を解釈するための情報をいくつか提供しておこう。
第1に、とくに日本人においては大学進学によって得られる恵まれた職業や報酬によって幸福感を決めているのではなく、ほかの要因(例えば家族や友人のことや人生の楽しみなど)に基づいて決めている程度が強いので、必ずしも高学歴者に高い幸福感を生むとは限らないのである。短大・高専卒の人はほかの要因に恵まれているので、幸福感が高いと想定できる。
第2に、では短大・高専卒の人はどのような生活体験をしているから幸せなのか、というのが具体的に何であるかを述べておこう。それは、1つには四大卒の人は仕事が複雑だし責任の高いことを任されることが多く、それによってストレスのたまることがあり、不幸感を高めていると考えられる。
第3に、分析結果によると、短大・高専卒は人の性格として外向性や調和性が高く、これらの性格のいい人は心理学上からも高い幸福感を持つ傾向が強くなるとされている。
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