マンション販売の最前線「モデルルーム」再考論

コロナ長期化でオンライン接客の導入も

モデルルームは物件の説明だけでなく、融資の相談や契約の場としての役割もある(記者撮影)

新築マンションの購入を検討したことがある人なら、一度は「モデルルーム」に足を運んだことがあるだろう。デベロッパーの社名やマンション名を掲げた、大きなプレハブ小屋。マンションギャラリーとも呼ばれ、中には商談席や実際の間取りを模した部屋、高級物件なら豪奢な装飾とともにシアタールームまで用意している。

物件の説明はもちろん、融資の相談や契約の場としての顔も持つモデルルーム。新築マンションにおける営業の要だが、最近ではその位置づけが変わりつつある。さらに、新型コロナウイルスの影響が長期化する中、そのありかた自体を見直す動きも出ている。

プレハブからビルの一室へ

「プレハブは建てない」

そう言い切るのは、戸建て仲介を手がけるオープンハウスだ。同社は子会社でマンション開発を展開しているが、モデルルームはオフィスビルの一室に構える。拠点によっては、1つのモデルルームで複数の物件の営業を行う。

地代やプレハブ建設費など、モデルルームの設置費用は「高級物件なら数千万円はかかる」(大手デベロッパー)。土地代や建築費など、ただでさえマンションの原価が上昇している昨今だけに、削れるコストは削りたいのがデベロッパーの本音だ。ビル内に構えたモデルルームなら建設費が抑えられる。

オフィスビルにモデルルームを作る場合、築古ビルでは集客が難しい、天井高が低いと間取りを再現できないといったデメリットはある。ただ、コストや用地不足から、最近ではオープンハウスのように複数物件を1つの拠点に集約しているデベロッパーが増えている。

そこでは「コンセプトルーム」と称し、特定の物件を忠実に再現するよりも、デザインや設備など「コンセプト」を伝えることに力点を置く。客は自分が買いたい住戸との相違点を資料を突き合わせて確認する必要があるが、一部屋で複数のマンションの営業が可能になる。物件ごとにモデルルームを建設したり、販売終了後に取り壊す必要もない。

さらにモデルルームは、単なるマンションの営業の場だけではなくなっている。2月、新宿駅南口に立つ高層ビルの20階に「ギャラリークレヴィア新宿」がオープンした。開設したのは、都内を中心に「クレヴィア」ブランドでマンション開発を行う伊藤忠都市開発だ。

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