米中で感染拡大でも進む「在宅勤務」の存在感 日本はこれから仕事の進め方を変えるべきだ
仕事の進め方では、中国人とアメリカ人は似ている。ビデオ会議には特段の抵抗感がない。IT系の新興企業だと、在宅勤務がもともと認められているし、DING Talkなどのプラットフォームを利用することにも違和感がない。出版社など伝統産業でも、担当の編集者が自宅からライブ中継して本の宣伝をしている。
学校もそうだ。中国の遠隔授業の「歴史」は長い。17年前SARSのとき、学生だった筆者は北京の自宅でテレビ経由の授業を受けた記憶がまだ鮮明だ。通信教育と類似し、学年・科目の時間帯に沿ってテレビで受講する。今やオンライン教育は普通のことになっている。
そもそも今回の事態になる前から、子ども向けのオンライン教育、教育ロボットが大きな産業になりつつあり、評判がよく、または今後のトレンドとなる教育ツールとされている。そのため親もITに対する抵抗感が薄い。
アプリを通して、受講状況、フィードバック内容、宿題のチェックなども把握できる。その結果、子どもの「管理」がしやすくなる一方で先生は、普通の準備だけではなく、録画、編集、授業で生徒と動画をみた後、ディスカッションと質疑に対応し、宿題とテストのオンラインの準備もしないといけない。準備する時間が普段の2倍以上かかるのは課題ではある。
お互いに安心できる仕組み作りが急務
新型コロナウイルス危機に面して、経済・消費の回復は全世界が直面する課題である。そのため、「外出不安感の解消は急務」(小松氏)だといえるだろう。また、在宅勤務による孤独感、職場の交流の疎遠化というマイナス面あり、勤務形態のバランスをとるのも重要だ。
中国のように、大規模なビッグデータを活用するのはなかなか難しいが、お互いに安心できる仕組みを作ることは急務ではなかろうか。教育においても、IT化が進んでいる現在、多様化している教育方法も検討する価値があると思われる。
言うまでもなく、このような事態になるのはこれで最後と願うばかりだが、グローバル化が進む中で、今回のような感染力が強いウイルスが発現し、世界の経済や人の日常生活まで大きな影響を与えるパンデミック(世界的感染爆発)は再び起こるかもしれない。
どこの国でもそれぞれ課題を有し、対応している。しかし、日本においては現在不足しているところを見つけ、他国の先進的な試みを吸収することこそ、安全と発展を目指すいい方法であろう。
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