世を騙し「1日で500万円」を荒稼ぎした男の告白

フェイクニュースは今や選挙や株価を左右する

なぜ、彼らのビジネスは成長を続けてきたのか。私たちは、マーケティング会社を利用している政治家にも話を聞くことができました。とある市長のポロ・デスチャンプスさんは、自身のPR動画の作成と拡散を依頼しています。見せてくれた動画は、3万回もの再生回数を誇っていました。

こうした拡散を行っている人たちは、全員がリアルな人物なのか。そう問うと、あっさりと、フェイクアカウントの存在を認めました。

「政治家は皆、ボットや偽のフォロワーを持っていますよ。私も、意図している訳ではありませんが、おそらくたくさん、偽のフォロワーなどが紛れ込んでいるのだと思います」

さらに、フェイクニュースを流したことはあるかと問うと、自身は意図して流したことはないとしたうえで、フェイクニュースを流す戦略的重要性は認めました。

「もはや、フェイクニュースなしで勝てる選挙なんてありません。なぜなら、拡散力がすさまじいからです。1度機能してしまった以上、問題があることであっても、続けられてしまうものなのです」

こういった世論操作は、世界70の国や地域で行われているという分析結果も出ています。一方で、選挙や災害などで悪意を持って流されたフェイクニュースなどには、複数の国で罰則を設ける動きも出ています。

アカウントを乗っ取った世論操作も(写真:NHK)

フェイクは経済活動も脅かす

日本でいまだなくならないオレオレ詐欺。将来、さらに見破ることができない詐欺が出てくるかもしれません。そう感じさせる事件が、去年イギリスで起きました。エネルギー会社の支店長は、その日、ドイツの親会社のCEO「ヨハネス」を名乗る人物からの電話を受け取りました。

「クライアントにお金を支払わなければいけないのだが、すでに、ドイツ時間では3時を回っているから、振り込みが終わってしまった。でも、イギリスなら、間に合うはずだ。いますぐ、22万ユーロを支払ってほしい」

彼は言われるがままに、22万ユーロを支払いました。しかし、その金は、クライアントではなく、詐欺グループの手に渡ってしまいました。

なぜ、支店長はだまされてしまったのか。当時を振り返り、こう話しています。

「確かに奇妙だなとは思ったのですが、確かに声はヨハネスだったのです」

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