日銀と政府の新型コロナ対策は間違っている

病気は深刻だが危機は過大視されていないか

それは、賢明な専門家やマーケット関係者が指摘しているとおり、流動性危機だ。

国債金利が世界的に上昇した。つられて、日本国債の10年物も売られ(利回りは上昇)、プラスの利回りがついた。一方で米ドルが世界中で急騰。ドル円は前出のように1ドル=111円台となった。世界中で流動性が求められ、国債が安全だろうが、現金でないものはすべて売り飛ばすということだ。そして、現金の中でもっとも重要なドルに世界中の人々が殺到している。現金が、ドルが世界中で求められているのだ。

ここで注意しなければならないのは、投資家が「キャッシュイズキング」などといって、損失を少しでも取り返すために、次の投資機会のために現金化しているのではない、ということだ。

中小企業の資金繰り倒産と失業を回避できるか

今危機に陥っているのは、投資家だけではなく、世界中の人々なのだ。

リスク資産に投資して、損失をこうむった投資家たちや、ファンドの解約のために資金の手当てに奔走している運用会社たちは、もちろん危機に陥っている。だが、彼らのことなど構っていられないほど経済全体、一般の多くの人々が危機に陥り始めているのだ。

単なる株式バブル崩壊、リスク資産バブル崩壊から、実体経済の危機および、それによる金融市場の危機に変わってきたのだ。

危機は変わった。

今回避すべき最大の問題は2つだ。まずは中小企業の資金繰り倒産回避である。アメリカでは、ボーイングに代表される航空機・エアライン会社、さらにホテル業界の超大企業も倒産危機に直面しかかっている。だから、同国議会はもめているのだ。ドナルド・トランプ大統領や共和党の打ち出す、日本円で200兆円超ともいわれる経済対策の半分以上はこのような大企業の救済に使われてしまうから、民主党は反対しているのだ(24日以降、上院で採決の可能性)。

大企業の救済は価値観や利害関係により、賛否は分かれるかもしれない。だがいずれにせよ、企業倒産を回避すること、そのための資金供給、手当てが必要なのだ。そして中小企業の連鎖倒産、それによる中小金融機関の破綻、これこそ回避すべきなのだ。そして、もうひとつは失業回避、失業者の手当てだ。だからアメリカでは「不況」ではなく「恐慌」という言葉が使われているのだ。

ここで、現在の重要なポイントは2つある。

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