TOKYOを駆け抜ける20代女子の本音 なぜ走るのはおじさんばかりなのか?

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走りたい、でもそんなには走りたくない…

ランニングを始めた理由で最も多かったのが、「ストレス解消」だ。ついでに「ダイエット」も入っているらしい。専門商社に勤務するOさんは、「社会人になって運動をしなくなってストレスがたまるようになりました。走り始めて基礎体力はついたかな。電車に乗り遅れそうなときは駅まで走れるし、代謝もよくなりました。体重はそれほど変わらないですけど……」と言えば、学生時代はバレーボール部だったTさんも、「運動不足を解消するためにスポーツジムにも行ったけど、ひとりじゃ続かなくて。クラブに入ってからは、月に2回くらいだけど、ランニングも続くようになって、走った日は気持ち的にもスッキリするし、いい時間の使い方ができていると思いますね」と話す。

ほかにも「運動音痴なので球技は難しい。走ることならできるかな」とSさんは仕事に余裕が出てきた社会人2年目から緩やかにランニングを開始した。システムエンジニアのMさんも、「走るのは嫌いだったんですけど、話しながら走っているせいか、今は楽しい。仕事で座りっぱなしなので、走った後は心身ともにスッキリします」とランニング効果を感じている。

そんな彼女たちの悩みはやはり、共通の趣味を持つ同世代の女性が少ないことだ。ランニング歴3年のHさんは、「社内にランナーはけっこういるんですけど、中高年が中心なのです。しかも、就業前の早朝から合同練習するなど、なんだかシリアスなんですよ。そういう雰囲気では走れません」と苦笑いする。

彼女たちの周囲の20代女子の中でも「ランニング」を趣味にしているのは少数派で、「(友人の中で)運動をする人は2~3割で、運動しない人が7~8割。ランニング以外の運動では、ヨガやベリーダンスが多い」(Tさん)という。

彼女らの話を総合すると、同年代の女子で少しでもランニングをしているのは、10人に1~2人くらいのようだ。仲間を増やそうにも「たいていは『つらいだけじゃん』とバッサリです」(Oさん)という。

筆者から見ると、クラブで走る彼女たちも決して熱心にランニングをしているわけではなく、ほとんどが月に2~4回走る程度だ。「もう少し走ったら?」と勧めても、「そんなにストイックにやりたいわけじゃない」と切り返される。週に何回も走れない理由はいろいろあるが、そのひとつはひとりでランニングができないことだ。確かに夜のひとりランニングは安全面を考えると難しいかもしれない。しかし、最大の理由は別のところにある。自宅近くをひとりで走るのが恥ずかしいというのだ。

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