「誰も見ていないのはわかっているんですけど、ダサイ格好はできないし、キメすぎていても恥ずかしい」とSさん。受付嬢のNさんも「ひとりだと妥協しちゃうのです。続かないし、帰りは歩きになっちゃうことも。でも、仲間と走ると最後まで頑張れるし、達成感もありますね」と話す。
東京を颯爽と駆け抜ける彼女たちにとって、「走る」こと以上に大切だといえるのが「ウエア」だ。ラン友と走るときこそ、ダサい格好はできないし、「かわいいウエアを着て走ると気分が違いますね」(Oさん)と言うように、ウエア選びが走るモチベーションにもなっている。また、「普段の私服では選ばないような派手なウエアを着られるので、いつもと違う自分になれる気がするのです」(Tさん)という意見もあった。華やかに都心を走る彼女たちは、泥臭いのは大嫌いだ。
フルマラソン後に待つ風景
そんな彼女たちも、少し走れるようになると、10kmやハーフなどのレースに出場する。が、フルマラソンの敷居はかなり高い。
「3~4kmほどの練習しかしていませんでしたけど、10kmレースを完走できて、自分が意外と走れることを知りました。フルマラソンは1回はやってみたいと思うのですけど、勇気がないですね」とNさん。「ハーフを完走して、体力的な自信はつきましたけど、もう二度とハーフを走ろうとは思わないですね(笑)。ホノルルみたいなレースならフルマラソンも出てみたいですけど」とSさん。かなり腰が引けている。
その一方で、数カ月のランニング歴であっさりとフルマラソンを完走する20代女子もいる。スニーカーすら持っていなかったというイベントMCのAさんは、「最初は2kmも走れなかったのに、どんどん走れるようになったのです。ホノルルマラソンは後半ほとんどウォークでしたけど、体育をサボるなど、走ることを人生の中でしてこなかった私でも完走できて、人間ってすごいと思いました」と素直な感想を口にする。
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