水は上手に抜いていこう
哀しい熟年離婚を回避するには、パートナーの心のコップに水(第一次感情)を溜めないことだ。
溜めないとは、コップから適宜水を抜くことである。
適宜リセットできていれば、パートナーの怒りの感情が持続することはない。リセットする方法として参考になる松下幸之助氏のエピソードがある。
松下氏が厳しい口調で部下を叱責した翌朝、松下氏はその部下へ電話をし、前日とは打って変わった極めて明るい口調で「調子はどないや、また頑張りぃな」 とフォローしたそうである。
部下は、こうしたフォローによって、松下氏へ恨みを持つことなく、その後の業務に邁進できたのだろう。
これは、カップル間にも応用できることではないだろうか。
言い争ってしまったら、後に引きずらない工夫をすることだ。
それは、松下氏が発していたような、ちょっとした言葉による配慮なのかもしれない。
ちょっとした言葉がけが、パートナーの心のコップに穴を空け、ネガティブな第一次感情の水を抜き出すことになるのだろう。
適宜、上手に水を抜いていれば、第一次感情が、第二次感情である怒りや恨みへと近づいて行かない。
今回紹介したように、私たちは、「第一次感情」「持続する」といった怒りの性質を理解しておくだけで、無用な論争を避けられるし、両者の間に溝や誤解も生まなくなる。
こうした理解は、カップル間のみならず、良好な人間関係を構築するうえでも有用なはずだ。
詳しくは、拙著『パワハラ防止のための アンガーマネジメント入門』をご一読いただきたい。
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