国語の「読解が甘い子」が激変する具体的な方法 臨時休校は、国語力を伸ばす最良の機会だ
2つ目は、記述・作文問題の対策は書く練習をするよりも、まず問題と解答を繰り返し読むことです。国語は浅く理解するか、深く理解するかという濃淡の差が学力の差になります。深く理解するには5回以上繰り返し読むことが大切です。
論理的思考力とは、物事の本質をまとめる力
ここで少し、論理的思考力について考えてみましょう。
論理的思考力とは、異なるものとものとの間を論理でつなぐことのできる力。異なる現象の間にある、より抽象的で次元の高い本質に、両者の共通性を見つけることです。
例えば、桃太郎のストーリーの中の「犬が仲間になった」「さるが仲間になった」「きじが仲間になった」という3つの要素を論理でつなぐとするなら、どう考えますか?
平面的な論理力では、「いろいろな動物と一緒に行った」といった、事実関係を述べるのみにとどまってしまうでしょう。
一方、抽象的な論理力を持っていれば「それぞれの個性を持つものがその個性を生かして協力した」と物事の本質をまとめることができるのです。
このように、抽象的な語彙力を育て、それを具体的にさまざまな現象にあてはめることで論理的思考力が育ちます。
大事なことは、難しい文章を読み取る練習をすることです。難しい文章を繰り返し読む際の教材でいちばんよいものが、過去の入試問題です。市販の問題集に比べて、作られている問題の質が違うからです。
国語の問題は、解釈によって正解と不正解の幅がありますが、入試問題の場合は正解が1つに限定されるように、細部まで緻密に作られています。その結果、論理的に考えることのできる良問が多くなるのです。
子どもだけが読むのでは理解が不十分になるので、必ずお父さんやお母さんが読んで内容をかみ砕き、実際のテスト結果などに当てはめて力をつけていくことをおすすめします。
以下に、実際に中学入試で出題された読解問題を掲載します。
まず問題文と問題を読み、そして選択肢をすべて読んで答えてください。小さなお子さんには、難しい言葉の意味などをかみ砕いて説明してあげてください。
解く際には、一つひとつの選択肢の文に、傍線や×や△や?をつけて、自分がどのような考えでその選択肢を選択したか、または選択しなかったかということがわかるようにしておきます。特に、判断しかねる問題は勘で選ぶようなことはせず、空欄のまま残しておいて×にしておくほうが実力はつきます。
本稿の最後に、すべての選択肢についての解説と、選択肢を選ぶ際の考え方のポイントなどをお伝えしますので、そちらも参考にしてください。
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