AIを無視する「文系人間」を待ち受ける"茨の道" 「7つのルール」を理解しキャリアに活かそう

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機械学習プランナーの重要性も、まさにこのことと一致します。機械学習プランナーは機械学習エンジニアのように機械学習モデルそのものは作れないかもしれません。しかし、機械学習エンジニアの発想に歩み寄り、創造性豊かに、投資してでも取得すべきデータを定義することはできるはずです。機械学習プランナーは、企業と機械学習エンジニアとの橋渡しを行い、ビジネス要件に沿って課題を整理することも重要な役目と言えるでしょう。

優れた機械学習プランナーになるには、「事業ドメインの専門知識」と「AIの技術の素養」の2つが不可欠です。事業ドメインの専門知識とは、企業や業界についての知識のことです。機械学習の専門家は企業の外にもいますが、ドメインについては、その企業に属している方こそが、最も詳しい専門家なのではないでしょうか。

例えば、製造業で、機械学習を使ってプロセス改善したいというなら、生産工程の特長などをわかっていなければいけません。前回の記事で紹介した、「実は、熟練工は機械の温度で故障を検知していた」のは、その最たるものです。

AIは新しい価値を生む

筆者がAI関連のビジネスに携わる中で、AI に対する注目が非常にうれしい一方、目立った成果が生まれていないことに対するもどかしさも感じています。そこでサービス提供領域を広げているのですが、こうした中で見えてきたボトルネックが、ここまでで述べたような「機械学習プランナー」の人材不足、もっと言うなら機械学習を使った課題解決に関するノウハウが体系化されていないことです。

『投資対効果を最大化する AI導入7つのルール』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

この記事をここまで読んでいただいた皆様に、ぜひ取っていただきたいネクストアクションは、紹介した機械学習に関する考え方を踏まえたうえで、機械学習が絡む課題解決を考えていただくことです。企画中ないし実行中の企画がある場合、ここで考え方を踏まえたうえで企画をブラッシュアップしてみてください。

AIは単なるコスト削減にとどまらず、企業の競争優位を規定し、新しい付加価値をお客様に提供できる1つの起爆剤のはずです。

「どんな性能を目指すべきなのか?」「積極的にデータに投資をして競争優位を作れないか?」「実運用を踏まえると、変更すべき観点はないか?」など、自分自身の企画に対して問いかけることで、新しい視点が生まれ、より企画が実運用に1歩近づくものと確信しています。

1人でも少しでも多くの方が機械学習の魅力に触れ、機械学習の実用化に1歩でも近づけることを願っています。

石川 聡彦 アイデミー代表取締役社長

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いしかわ あきひこ / Akihiko Ishikawa

東京大学工学部卒。同大学院中退。研究・実務でデータ解析に従事した経験を生かし、法人向けAIシステムの内製支援クラウドソリューション「Aidemy Business」を開発・運営している。著書に『人工知能プログラミングのための数学がわかる本』(KADOKAWA/2018年)など。「Forbes 30 UNDER 30 JAPAN 2019」選出。

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