筆者が日ごろ多くの親子と接する限りでは、子どもが小学生までは親の意向が優先され、中学生になると均衡し、高校生になると子どもが優先される、ということが多いように見受けられます。
現在、お子さんは中学2年生ということで、一般的には均衡状態にあると考えられます。思春期真っ盛りの難しい時期ですが、ご相談文から拝見するに、そこに意志の強そうな父親が登場し、「親2人:子ども1人」という対立構造になっていると感じました。力学的に考えれば、間違いなく子どもは親の意向通りに塾を選択せざるをえなくなるでしょう。
解決に向けた2つのステップ
それはそれで1つの家庭のあり方ですので、他人がどうこう言う資格はありませんが、筆者はこのような場を“教育の場”として活用してみる事をお勧めしています。
つまり、難しい選択を迫られる場面そのものを「子どもの学びの場・成長の場」としてしまうということです。
それでは、親子間で意向が対立した場合の解決法についてお伝えします。次の2つのステップで進めてみてください。
親が勧める塾と子どもが行きたいと言っている塾、それぞれのメリットとデメリットを書き出して、子どもと共有する
現在は、親(特にご主人)も、子どもも、一方的に自身の見解を述べており、話し合いは平行線になっているようです。これでは、お互いに情報量が少なすぎます。お互いの主張をそれぞれに述べたところで、それは正しい、間違っていると言えるだけの根拠が十分に出ておらず、永遠に主観を戦わせているだけになってしまいます。
何事にも、メリット、デメリットはあるものです。どちらが100%正しいとは限りません。そこで、双方の視点でメリット、デメリットを、それぞれ書き出してみましょう。それにより、お互いにより冷静に判断ができるようになります。
例えば、
・自分が行きたい塾を選んで行くことで、モチベーションがあがる
・友達の目を気にして、よりよい成績を出そうと頑張れる(かもしれない)
・家から近く、時間と体力の節約になる
・先生がフレンドリーで評判がよい
・友達とおしゃべりするのが楽しくなり、勉強に身が入らない
・友達と不仲になったときに、一気にモチベーションが下がるリスクがある
・進学実績が、ほかの塾に比べて見劣りする
・費用が割高
これといったメリットが見つからない、デメリットがわからない……という場合もあるでしょう。また、特に子ども側に思考力がまだ十分に育っておらず、エゴが先行してしまい、メリットしか考えられない、という場合もありえます。
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