塾選びは「親と子」どちらの意見を優先すべきか 「不純な動機」で塾に通いたい中2の息子

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そうしたときは、ぐっと我慢して、しっかりと時間をかけて検討するようにしましょう。「ない」ではなく、「まだ見えていないだけ」と考えるのです。

このSTEP1によって、メリット・デメリットが一通り明らかになると、親子ともに大分冷静になれるでしょう。子どもは当初の考えを変え、親の考えを支持するということも十分に考えられます。

重要なことは、親の一方的な意見を子どもに押しつけるのではなく、まずは、親も子もフラットな立場に立つということです。

子どもは人生経験がまだ少なく、物事を広く、長期的に見渡す経験をまだ多くしていません。一方の大人は長く生きてきたぶん、子どもに比べれば豊富な経験を持っています。

だからと言って一方的に親が決めてしまうのは横暴です。そうではなく、双方がしっかり議論して納得できるだけの材料が出るように、親がその段階を用意するのです。

【STEP2】
子どもに選択させる

STEP1の段階を経れば、もはや親の役割はほとんど終わったと言えるでしょう。

STEP1により、条件がしっかり出揃ったうえでの判断は、子ども自身にさせるようにします。塾に行くのは子どもであり、その結果、どのような人生を選択するのかは本人の問題になるからです。

お子さんがまだ自分で判断できない年齢であれば別ですが、中学2年生という年齢を考慮し、本人の判断に委ねます。自己選択、自己決定、自己責任であることを、この機会に教えてあげるといいでしょう。

親子間で建設的な話し合いを

この段階でも、親の方針を貫きたくなる親も少なくないかもしれません。しかし、それを行ってしまうと、例えば次のような事態が発生することがあります。

「本人の意に沿わぬ、親が進めた塾に行き、その結果、成績が伸びなかったり受験に落ちると、かなりの確率で親の責任にする」

『小学生の勉強法』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

これまでこのようなケースを何度も目にしてきました。ですから、日本中でこのようなことが頻繁に起こっているのではないかと容易に想像できます。

仮にSTEP1を経ずに、STEP2だけを行った場合、今度は、逆に親が子どもを責めることになります。

「だから、親の言うことを聞かないから、そうなるんだ!」と。

いかにSTEP1が重要であるかおわかりいただけるかと思います。

いずれにしても、一方の意見だけで事を進めると、いずれ大きなトラブルになる可能性が高まります。双方の意見をただ言い合って、対立するのは得策ではありません。必要なのは、冷静かつ客観的な判断ができるように、きちんと段階を経ることです。ぜひ親子間で建設的な話し合いをする機会として活用してみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

講演、執筆相談はこちらから。

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