コロナショックでタクシー運転手が上げる悲鳴

稼ぎ時の夜は「自粛」で利用者減、対策も急務

なぜ、乗客数の落ち込み幅が少ないのか。そう問いかけると、流しは減少しているが、配車の数は微増傾向にあるという。もちろん川崎という地域を単純に一括にすることはできないが、高齢者の利用頻度は間違いなく増えているという答えが返ってきた。

「川崎周辺は介護タクシーが意外と多いんですよ。1人暮らしの老人の方が結構いますから。そういう地域だからなのか、コロナウイルスが発覚してから、高齢の方からの配車の依頼は少し増えていると思います。日々の病院への通院、マスクや日用品の買い物など、ライフラインで利用される方が一定数いらっしゃる。

お客様と話していると、『これまではバスなどを利用していたけど、タクシーのほうがリスクは少ないから』という方もいました。厳しい状況であるのは間違いないですが、朝や日中に限れば、夜をメインにしている人よりも影響が少ない面もあるのかもしれません」

名古屋の街は異常事態

空席が目立つ新幹線に乗り、名古屋を訪れた際も印象的だった。愛知県は、北海道に次いで多くの感染者が確認されており、111名の感染者が発表されている(3月12日時点)。

名古屋駅の新幹線口を出て、タクシー乗り場をしばらく観察していたが、タクシー乗り場をスルーしていく人が目立つ。おそらく愛知県内でも乗車頻度が最も多い場所の1つであろう、この場所でも厳しい状態なのだ。

そんな状況を横目に、名古屋最王手の1つであるタクシー会社が運営する車に乗り込んだ。

名古屋生まれ、名古屋育ちという地元民であるドライバーは、「名古屋の街は異常事態ですよ」と前置きの後こう明かした。

「東京都内と北九州でタクシードライバーの感染者が出たニュースが流れたでしょう。あれから、乗る前に『運転手さんはコロナ大丈夫ですか?』と確認されることが増えましたね。こちらとしてはマスク完備に徹底した消毒と、できる限りの感染症対策はしている。お客様の中には、『お前らがウイルスをバラまいているんだろう』という難癖つけてくる人もいました。この発言には正直、傷つきましたね。

むしろ、密室で濃厚接触のリスクも高いのはこちらですよ、と本心では言いたいくらいですよ。稼ぎ時である夜の利用客が圧倒的に減り、ガソリン代などの経費をカバーするのもキツいくらい。会社や個人が工夫してもできることはほとんどなく、国や行政が何かしらの対策をしてくれないと持ちません」

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