東洋経済オンラインとは
ビジネス #自動車最前線

豊田章男の「運転の師匠」がこだわり続けたこと 成瀬弘氏はなぜ「ニュル」を走り続けたのか

13分で読める
2/6 PAGES
3/6 PAGES

ここからは「ニュルブルクリンク」と「新車開発」についての“成瀬節”をお届けしたい。まずは、ニュルブルクリンクについて。

――ニュルブルクリンクを走った時の印象はどうでしたか?

まず「とんでもないところ」に来たなと。ただ、ここはレースをする場であると同時に「開発の場」としても使えると感じました。

――何が“とんでもない”のでしょう?

日本のサーキットはほとんどがフラットですよね。でもニュルブルは、一般道をそのまま持ち込んだ感じです。

ブラインドコーナーはもちろん、ジャンピングスポットもある。1周20km近くあるのに平らなところが1つもないうえに、路面その物も荒れている。とにかく日本のサーキットやテストコースの環境とはまったく違いました。

いまだに1周を完璧に走ったことがない

――長くニュルブルクリンクを走ってきて、道は変わったと感じますか?

ニュルブルクリンク北は1周20.8km、高低差300m、コーナー数170以上(写真:トヨタヨーロッパ)

昔はほとんど変わらなかったけど、ここ2~3年で路面補修が進んでフラットになっています。そういう意味では、昔よりは危険ではないです。

加えてクルマの性能もよくなっているので死亡事故も少なくなっているはずですが、それでも年間3~5人は亡くなっています。僕も実際に目の前で死亡事故を目撃したこともあるし、救助したことも。

――成瀬さんはいつも「道がクルマをつくる」とおっしゃっていますが、やはりニュルのようは所で鍛えないとダメですか?

日本は100km/h制限の国ですが、世界に通用するクルマにするには“走る道”を選んではダメ。だから、都内の渋滞からニュルブルの高速走行まで鍛える必要があります。

――ニュルブルクリンクを走って何を確認し、何を見ているのでしょうか?

僕がなぜニュルブルに通い続けるのかと言うと、一つ目は「自分がまだ走れるかどうか?」、「ドライバーとしてニュルブルの中に入ってやっていけるかどうか?」を確認するため。

かれこれ40年近く走っていますが、まだまだ走り足らないし、いまだに1周を完璧に走ったことがないです。もちろん、あるクルマで「8分フラットで走れ!!」と言われれば、±1秒以内で走ることはできますが……。

次ページが続きます:
【ニュルで鍛えたスープラはすごい】

4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象