派遣から正社員になれた40代女性が悩むワケ やりたい「広報」から希望しない部署に異動

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個々人がそれまでの人生や経験を通じて培ってきた価値観や志にのっとり、自分ならではの正解を追及し続けるのが人生であり、キャリア道です。

その意味では、43さんはキチンとご自身の価値観に基づいたキャリア上の優先順位をお持ちであり、なおかつ具体的な夢も持っておられるわけですから、非常に幸せなことだと思います。

そういった自分ならではの価値観や志を持てずに、いつも周りに流され、人生やキャリアの荒波にもまれつねに迷子になってしまっている人が多数です。私はそういった周りに流され自分をいつまでも持てない方たちを拙著『非学歴エリート』にて「浮遊層」と名付けましたが、まさに自分の軸がないがゆえにフラフラとしてしまっている状態なのです。

そうなってしまいますと、寄らば大樹の陰ではありませんが、やはり大多数のやっている事が正解とばかりに「世間の常識」を探そうとし、その行動に沿うことで「つかの間の安息」を手に入れようとするのです。

もちろん、そういった考えもあるでしょうし、決して否定するわけではありません。

正解がないがゆえに皆手探りなわけですし、それこそ自分の価値観に基づき意思決定をし、間違えたと思ったら方向転換をしつつ、自分なりの冒険を通じて自分の人生に責任を持って生きて行けばよいのですから。

周りに流されず、自分の信じる道を

ところでそういった手探りな状態よりは、43さんのようにご自身の価値観に基づいた行動指針をすでにお持ちのほうが本来は生きやすいわけですが、それだけではちょっと物足りません。

おそらく43さんにあと必要なのは、「自分を信じて自分の生き方や信念を貫く勇気」でしょう。43さんのような生き方や考え方は世間的には決してマジョリティーではないと思います。であるがゆえに、どこかで恐怖心というか、ご自身の生き方や志に対して迷いがあるのかもしれません。「果たしてこれでいいのだろうか」と。

でも、そこを突き詰めることで見えてくる幸せもあるでしょうし、実際にご自身の好きなことをやられていた過去のほうが、正社員というステイタスでやりたくないことをやっている現状よりも幸せだったはずです。

先程、人生やキャリアに万人に当てはまる正解はないと申し上げました。本来100人いれば100通りの人生やキャリア道があってしかるべきなのです。

人生やキャリアにおける未来地図や教科書、前例がないと迷う気持ちもわかります。でも、43さんの場合はご自身の過去、つまり今よりも幸せだったという事実が、明確な道しるべであり、未来地図なのではないでしょうか。

「大切なのは世間でいう安定感ではない。自分らしくいることによる充実感なのだ」。それが43さんの生き方なのではないでしょうか。

人生に迷ったときには過去を振り返ることで、自分にとっての価値観や幸せの形を今一度思い出すことも大切なのかもしれません。

40代だからうんぬんは関係ありません。今まで培ってきた悩みや苦労がある40代であるがゆえに、ちょっとは自分にわがままになり、自分なりの幸せの形を追求する権利もあるというものです。

43さんが、周りの声や評価に流されず、ご自身の信じる道を歩み、結果としてご自身ならではの幸せの追求に邁進されるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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