「ノルマ達成」でも、なお厳しい財政再建

14年度予算、基礎的財政収支は5.2兆円改善

基礎的財政収支は約5.2兆円改善へ

では、成立した14年度予算では、収支改善はどうなったか。まず、税収から見ると、14年度に消費税率の8%への引上げや経済成長率の上昇に伴う所得税や法人税の税収増が予定されている。消費税収については、国の消費税と地方消費税を合わせた税率が5%から8%に引き上げられるが、そのうち国の税収として入る分の税率は4%から6.3%に引き上げられる。

そして、消費税収は13年度に比べて約4.7兆円増加すると見込む。法人税は、円安などで企業業績が回復して収入が想定以上に増えることから、13年度の税収は当初予算よりも約1.3兆円増加すると見込む。

所得税も約0.9兆円増え、税収全体では約6.9兆円の増加を見込む。その他の収入の増加が13年度と比べて約0.6兆円ある(表参照)ので、税収等は合計して約7.5兆円増加する。

他方、歳出はどうか。高齢化に伴う社会保障費の増加が顕著で、13年度に比べて約1.4兆円増加する。この背景には、消費税が増税された分の収入を約束通り社会保障費に充てることにしており、待機児童解消や医療提供体制の改善がその対象となっている。公共事業費も13年度に比べて約0.7兆円増加する。

このところ減少傾向だった防衛費も、安全保障環境の緊迫化を受け約0.1兆円増加する。国から税収が少ない地方自治体に分配する地方交付税交付金は、地方自治体の税収が増加することを受けて抑制できたが、多くの経費は増額予算となった。その結果、政策的経費(国債費を除く経費)は合計で約72.6兆円と、13年度に比べて約2.2兆円の増加となった。

ちなみに、かつて小泉内閣の塩川財務大臣が「母屋(一般会計)でおかゆをすすっているときに、離れ(特別会計)ですき焼きを食べている」と表現し話題となった特別会計は、14年度において15個となり3個減らした。象徴的なのは、道路や港湾の建設を行ってきた社会資本整備事業特別会計(旧道路整備特別会計など)が廃止され、一般会計に統合された。

税収等が約7.5兆円増加し、政策的経費が約2.2兆円増加したことから、両者の差額である基礎的財政収支は、13年度の約23.2兆円の赤字から14年度の約18.0兆円の赤字へと、赤字が約5.2兆円減少した。これは、前述の「中期財政計画」で示した「4兆円程度の収支改善」を超えて、15年度の財政健全化目標の達成に向け前進した。

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