STAP細胞をめぐる問題で、理化学研究所(理研)が揺れている。実は、独立行政法人である理研をめぐっては、昨今の行政改革論議と深い関係がある。特に、理研が「特定国立研究開発法人」の指定を目指していた、とされている。
独立行政法人改革は、「三度目の正直」
このほど、現在開催中の通常国会に、国の独立行政法人の基本法というべき、「独立行政法人通則法(独法通則法)」の改正法案が提出された。2014年度予算で、92の独立行政法人(独法)に約2.8兆円の税金が投じられている。また、国の予算における科学技術振興費の約7割が独法向けである。
「独法」というと、どんなイメージがあるだろうか。「官僚の天下り先」、「『埋蔵金』などをたくさん貯めこんでいる」といったイメージを持つ方もおられるかもしれない。
独法の中には、近年こうしたイメージを払拭する取組みを独自に行っているところもある。しかし、独法をめぐる制度を、根本から改めないと、厳しい財政状況の中で、国民の税金を有効に使って国民のために貢献する姿にならない。これが、独法改革の出発点である。
独法改革は、歴代政権で行政改革の1つと位置づけられてきた。第1次安倍内閣の頃からも着手されたが、その後の衆参ねじれ状態の中で頓挫した。民主党政権でも独法改革の具体案を作成し、法案も提出したが、これまた衆参ねじれ状態の中で廃案となった。そして、第2次安倍内閣では、「三度目の正直」をめざして、独法改革に着手した。
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