中国・新型コロナ「遺伝子情報」封じ込めの衝撃

武漢「初動対応」の実態、1万3000字リポート

1月9日、中国中央テレビは中国疾病管理センターが中心となって「武漢ウイルス性肺炎病原体検査結果の専門家の初期評価」を行い、病原体が新型コロナウイルスであると確定したと報道した。

「2020年1月7日21時までに、実験室では一種の新型コロナウイルスを検出し、当該ウイルスの全遺伝子配列を入手した。その後、核酸増幅検査にて全部で15人の新型コロナウイルスの陽性患者を確認し、1例目の陽性患者のサンプルから当該ウイルスを分離し、電子顕微鏡で確認したところ典型的なコロナウイルスの形態をしていることがわかった」

1月11日、張永振の研究グループは当該ウイルスの遺伝資源情報を「ウイルス学組織」であるVirological.orgのサイトとGenBankにシェアし、世界で最も早く当該ウイルスの配列を公表したグループとなった。

誰が第一発見者か解明する必要はない

当日夜、国家衛生健康委員会は中国がWHO(世界保健機関)と新型コロナウイルスの遺伝子配列情報を共有すると発表した。翌日、5つの別々の患者のウイルス遺伝子配列が国家衛生健康委員会の指導者組織により、GISAID上に発表された。これらWHOに共有された新型コロナウイルスの遺伝子配列情報はいったいどこから来たのだろうか?

中国疾病管理センターの主任・高福は財新の取材にこう答える。「その遺伝子配列は3つの機関から来たものだ。中国疾病管理センター、中国医学科学院および中国科学院の3者が協力し共有を行った」

この中国の情報提供に対し、WHOは「すでに中国国家衛生健康委員会から症例を検査し解析した新型コロナウイルスの遺伝子配列情報等を含む、武漢の原因不明ウイルス性肺炎に関する詳細な情報を受け取った。これはその他の国家が特別な検査キットを開発するために非常に意義のあることだ」と表明した。

この際、誰が(新型コロナウイルスの)第一発見者なのか解明する必要はない。それは第一感染者の遺伝子シーケンス検査により新型コロナウイルスが確認されてから、すでに15日もの時間が過ぎているからだ。

1月11日、情報の更新を長く停止していた武漢衛生健康委員会は通達にて初めて「原因不明のウイルス性肺炎」から「新型コロナウイルスの感染による肺炎」と名称を変更し、2020年1月10日24時までに初歩的な診断で41人の新型コロナウイルス肺炎患者が確認されたことを明らかにした。

同日、湖北省の“両会”(訳注:中国の重要な政治会議)が開かれた。この両会は1月17日まで続いたが、(この期間に)感染者数は増加していない。(敬称略)

(財新記者:高昱 彭岩鋒 楊睿 馮禹丁 馬丹萌)

※原文は2月26日現地時間22:10に配信

翌27日夜に削除され現在は非公開

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