あるいは同じ職場の同僚が別の部署に異動することになれば、「一緒に仕事ができなくなって寂しい」と、身内が離れていくような感情を抱いたりもするもの。ゆえに、春先には人事発令で悲喜こもごもな集い(送別会など)で、本業の仕事に十分に手が回らなくなる職場すらあるようです。
ただ、社内の人事発令でも自分の同じ職場(部署やフロアーが同じ)でなく、上層部、たとえば経営幹部に関する人事発令となると、
「専務が営業から外れるとは思わなかった。社長ともめ事でもあったのだろうか?」
などと、自分事でなく、他人事のうわさ話のネタ程度の“遠い出来事”としての感覚しかない人がたくさんいます。当方が前職で勤務していた職場でも、経営幹部クラスの人事発令は
「D部長が本部長になれたのは、取締役クラスにお友達が多いからに違いない」
といった憶測で盛り上がったものの、それで話は終了、という社員が大半であった気がします。経営幹部の人事発令なんて自分の仕事には関係ない……そう思えるくらい、仕事への自負があったからかもしれません。
ただ、考えてみれば人事発令は、会社の戦略にひもづいて決まるもの。当然ながら、役員の抜擢や担当の変更を決めるにあたっては、それなりの理由や背景があります。その後の会社の方向性やマネジメントに大きな変化があってもおかしくありません。ちなみに、当方も担当役員が変わった1年後には
・業績評価の仕組みが一変
・担当部長がすべて交代
なんて大改革で、自分の仕事ぶりも大きく変えざるをえなくなった経験が何回もあります。これまで、日本企業では役員が変わっても体制には大きな変更はない……というケースが多かったように思いますが、これだけ環境変化の大きな時代ですから、
《担当役員が変われば、社員たちが求められる仕事は変わるもの》
くらいに思っておいたほうがいいかもしれません。ちなみに外資系企業の社員であれば、そんな変化は当たり前と回答してくることでしょう。あなたも、会社の人事発令(特に役員人事)をしっかり読み込んで、今後のキャリアにおいて参考にしませんか?
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