何よりもあまりに唐突で準備期間もほとんどなく、年度最後の3月の授業をすっ飛ばしてしまう臨時休校が始まったことで懸念されるのは、小学6年生、中学3年生、高校3年生の「卒業」という人生の節目が中途半端になりかねないことだ。特に心が成熟してから仲間との別れを初めて経験する小学校の卒業式は、人生において一生の思い出に残る節目の1つである。
政府は臨時休校を求めるにあたり、入試や卒業式を実施する場合は感染防止など万全の対応を取るよう求めている。安倍首相は2月29日(土)の記者会見で「子どもたちにとって3月は学年の最後、卒業前、進学前の大切な時期。学年をともに過ごしたともだちとの思い出をつくるこの時期に学校を休む措置を講じるのは断腸の思いです。卒業式は必要最小限の人数に絞って実施していただきたいと考えています」と話した。
ただ、一部の大学も含めて、早々と卒業式の中止を決めてしまった自治体や学校も少なくない。開かれるとしても、保護者や在校生の参加を自粛するなどの規模を縮小した格好で行われることになる可能性が高い。
当の子どもたちはこんな風に思っている
これに対して当の子どもたちはどう思っているのか。筆者が複数の子どもたちから聞いた率直な声は以下のようなものだ。
2月28日(金)朝、突如「ランドセルを背負える最後の日」が訪れた小学6年生の子どもを持つ母親による、わが子の“最後のランドセル姿”を写真に収めたSNS投稿も多く見られた。
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