臨時休校「一生の思い出」奪われた子たちの本音 卒業は人生の節目、なおざりにしてはいけない

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それでも、全国で約1300万人にも及ぶ小中高生の動きを政府が止めたいのは、児童生徒自体が重症にならなくても、地域外から感染したコロナウイルスが親を介して地域に持ち込まれ、その子供である児童生徒に移り、さらに児童生徒同士の感染を経由して地域内に広がるだけでなく、それが他地域へとさらに感染が連鎖していくことを阻止する狙いがあると推察できる。

安倍首相は2月29日(土)18時から開いた記者会見で、臨時休校についてはこのように言及した。

「新型コロナウイルスは集団による感染をいかに防ぐかが重要です。子どもたちの健康、安全を第一に考えました。学校は教職員、子どもたちが集まって、同じ空間を共有することに感染リスクを伴います。万が一にも学校において子どもたちの集団感染を起こしてはならない。学校が休みとなることで親御さんにはご負担をおかけする。小さなお子さんをお持ちの家庭には大変なご負担を強いる。急な対応に全力を尽くしてくださっている自治体や教育現場の皆さんにも感謝します」

ようやく表に出てきた安倍首相だったが

一定程度は理解できる。ただし、生徒たちはもちろん、教師をはじめとする学校関係者、放課後に子どもを受け入れる学童関係者、子どもの親たちなどはさまざまな対応を迫られる。生活に大きな変化を迫られたり、経済的に困ったりする人もいて、それらについての不満や政府への批判・反発の声なども巻き起こっている。これまでの政府のコロナウイルス対策が後手に回り続けていた印象が拭えなかった中で、主には加藤勝信・厚生労働相に説明役を任せ、やっと前面に出てきた安倍首相が打ち出した決断は用意周到で準備された印象は薄く、唐突に映ってしまった。

学校関係者や親たちの対応による社会的なインパクトはもちろんながら、最も影響が大きいのは子どもたちだ。筆者も2人の子どもを持つ親の1人として、自分の子どもはもちろん、周囲の親を経由して多くの子どもたちの複雑な心境の声をたくさん耳にしている。

思いがけない休みが突如訪れ、「ラッキー!オンラインゲームで友だちと遊べる!」(小学5年生男子)、「期末試験なくなってホッとした!」(高校1年生男子)と浮かれている子どもたちもいるが、戸惑いも少なくない。「せっかく勉強したのに期末試験がないのは残念。部活ができないのも嫌だ」(中学2年生女子)というような不満の声のほか、ある高校3年生男子は「ホワイトデーのお返しをどのタイミングで渡せばいいのか…」と落ち込んでいた。

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