「昭和の時代劇」悪役・アウトローの圧倒的魅力 1970年代のベスト3作品は何が面白かったか

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アウトロー時代劇はアウトローたちが創った(写真:metamorworks/PIXTA)

いちばん好きな時代劇は何ですか? ──時代劇研究家を名乗ってから25年、この質問を何度受けたか。毎日時代劇を見続けていると、過去の作品に新たな魅力を見出すことも多いし、素晴らしい新作に出会うこともある。よってランキングはいつも変化する。ということで、今回挙げたのは2020年初頭版ベスト3である。

挙げた3作品には共通点がある。1つは1970年代の作品であること。もう1つはアウトローが中心人物ということである。

『週刊TVガイド』が創刊された1962年に生まれ、テレビの申し子のごとく成長した筆者の世代は、斬新なアウトロー時代劇に出会う運命にあったといえる。

テレビ時代劇の第1号は、NHKで本放送が始まった昭和28(1953)年の7月1日に放送された笈川武夫主演の「半七捕物帳」であった。時代劇は黎明期からのテレビの重要コンテンツだった。その後、時代劇の放送本数は急増。新しいタッチの作品が求められる時代になった。

最初に注目されたのは「三匹の侍」

民放制作の時代劇で最初に注目されたのは、1963年スタートの「三匹の侍」(フジテレビ)だった。柴左近(丹波哲郎)、桔梗鋭之介(平幹二朗)、桜京十郎(長門勇)、3人の浪人が旅をしながら、敵を斬る。監督は後に多くの映画作品を手がけた五社英雄。

『GALAC』2020年4月号の特集は「時代劇は死なない」。本記事は同特集からの転載です(上の雑誌表紙画像をクリックするとブックウォーカーのページにジャンプします)

荒涼とした道を行くロードムービーを局のスタジオで撮影していたことにも驚くが、ニッポン放送出身の5社は肉や野菜を切る音を集め、「ズバッ」「ドサッ」など史上初めて人を斬る「音」を入れて視聴者を驚かせた。

関係者に聞くと徹夜も多く、スタッフは局の廊下で横たわって仮眠の日々。長門勇は当時まったく無名で、五社は企画書にわざと「長門」と苗字だけ記し、人気映画俳優の長門裕之と思わせて企画を通したとの逸話も残る。無茶苦茶だが、とにかく熱い。晩酌する祖父の膝の上で見た私もその熱だけは感じ取った記憶がある。

とはいえ、当時時代劇の中心地・京都では映画が「本編」で、テレビは「電気紙芝居」と言われ格下扱い。テレビに配属されると「気の毒に」と言われたのだという。しかし、はぐれ者といわれた面々が創りあげたこの時期の「テレビ映画」時代劇が実に面白いのである。

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