ボルボ「V60クロスカントリー」雪上でみた実力 凍結路面で感じた最新の電子制御技術とは?

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今回の試乗は北海道で行った。カリキュラムは一般道と専用特設コースの2種類で、特設コースではV60CCの雪上における限界性能を確認。まずは、雪の塊で作られた丘に登り、そこから今度は坂を下るシーンを体験した。

凍結路面で選択する「オフロードモード」

折しも取材日前後は雪が少なく、日中は暖かくなり雪は溶け、夜間の寒さで凍結を繰り返していた。よって、この丘からの下り坂も滑りやすい。幸運にも前日に多少の降雪があったものの、それでも下地は凍結路面。滑りやすいことには変わりはない。こんなシーンではシフトセレクターレバーそばにある「ドライブモード」で、「オフロードモード」を選択する。

このモードでは下り坂にさしかかると、自動的に10㎞/hを上限に4輪のブレーキを独立制御させる「ヒルディセントコントロール」が働き、安定した車両姿勢で降坂できる。このシステムは前進時だけでなく後退時にも機能し、その場合は7㎞/hが上限。

もっともヒルディセントコントロールのような運転支援技術はその有益性が認められ今や軽自動車にも用意されるため斬新ではないものの、V60CCの場合は自車周囲の確認に使う「360度カメラ」を併用することで、画像のような急斜面でも車両前方の死角部分が9インチのタッチスクリーンに拡大表示されるので走行ラインの確認がしやすく安心だ。

ハンドリング路では先のドライブモードを「ダイナミックモード」に変更する。ボルボのガソリンモデルが搭載するAWDシステムでは、発進時から約80Nm(約8.1kgf・m)の駆動トルクが後輪にかかる。

これにより実質的には常時4輪駆動となることから、滑りやすい路面では発進加速時から安定した走行が行える。このAWDシステムは機構上、後輪にかかる駆動力は最大で全駆動力の50%(=前輪50%:後輪50%)だが、ダイナミックモードではアクセルに対するエンジンの反応やトランスミッションの変速ポイントが加速重視になり、横滑りを抑制するESCが「スポーツモード」となるなど、ほかのドライビングモードよりも躍動的な走りが楽しめる。

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