ボルボ「V60クロスカントリー」雪上でみた実力 凍結路面で感じた最新の電子制御技術とは?

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2019年、ボルボの世界の累計販売台数は70万5452台。公表されている2014年の世界販売台数と比較すると、2019年は151%以上にまでその規模を拡大したことになる。日本では2019年に1万8564台を販売したが、これは2014年からみると約140%と、こちらも大きく伸びている。

新世代プラットフォームである「SPA/スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー」を採用したボルボの販売は日本において2016年1月(世界市場では2014年発表)の「XC90」からスタートしたが、こうして順調に販売を伸ばし続けている。

内外ともスタイリッシュなデザインであること、ボルボが永年培ってきた安全哲学に裏づけされた先進安全技術を搭載していること、そして豊富な車種バリエーションをもっていること。これらの相乗効果によって、世界中でユーザーを増やし続けているのだろう。

人に優しい運転環境は、危険な状況を遠ざける

現在ボルボでは、日本市場向けの特別な計らいとして先進安全技術群である「IntelliSafe(インテリセーフ)」を全モデルに標準装備としている。そうしたことからも、今回は緊張感を伴う滑りやすい路面であったがボルボの安全に対する考え方に安心して触れることができた。

V60 Cross Countryの後ろ姿(筆者撮影)

例えば、どんなアクセル操作に対してもほんの少し、時間にして0.2~0.3秒ほどだろうか、僅かなタイムラグをおいて反応する特性や、ストローク重視のコントロール性に優れたブレーキ特性によって、悪条件下であっても運転操作にゆとりが生まれる。さらには、北欧の厳しい寒さのなかでの運転を考慮し、グローブをしたままでもステアリング操作や各種スイッチ操作がしやすかったり、9インチのタッチスクリーン操作ができたりするなど、随所に人に寄り添う設計思想が織り込まれている。

もっとも、こうした特性は飛び道具ではないので地味に映る。人によっては受け入れられないかもしれない。しかし、北欧が生み出す工業製品の多くには人を包み込むような優しさがある。筆者が15年ほど愛用している北欧製ソファにしてもそうだが、座るたびに今でもホッとする。

「人に優しい運転環境は、危険な状況を遠ざける」。これは各国の自動車メーカーで勤しむ技術者から聞かれる言葉だが、北海道の地で最新のボルボに乗り、その想いをしっかりと受け止めることができた。

西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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