「調整仕事」を任される20代社員に必要な視点 GO三浦崇宏が語る「最適解を見つける」重要性

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調整って、仕事のプロセスの1つだからさ。いろいろな立場の人の言い分を全部聞いて、皆が納得する着地点を模索するんだから、思い通りにならないことは多いし、つらくて当然。

「プロセスまで含めて全部楽しいものにしたい」なんて、ただの甘えでは?(写真:20’s type編集部)

でも、プロセスが楽しい仕事なんて、この世にどれだけあるんだろうね。

何のために目の前のことを頑張るのかって、その先にあるゴールで輝かしい景色が見たいからじゃない?

マラソンとか、登山とか、何でもいいけど途中の道はすげーつらいじゃん。でも、走り切ったり、登り切ったりした後の感動が味わいたいがゆえに、そのつらいことに挑戦するわけでしょ?

仕事も全く同じだよ。「プロセスまで含めて全部楽しいものにしたい」なんていうのは、ただの甘えじゃないですか?

「口説き文句」は相手によって使い分けよ

じゃあ、つらい中でも調整仕事をどうしたらうまく進められるのか。俺の経験から言えるのは、次の2つを大事にすること。

【1】自分が描いているビジョン、目的を関係者に共有すること

例えば、君が何かのプロジェクトを実現したいとして、そのためにあらゆる立場の人に協力を依頼したいのであれば、なぜそのプロジェクトの実施が今必要なのか、プロジェクトが実現するとどんないい影響があるのか、しっかり言語化して、目的を皆に分かってもらうことが大事。

会議や商談のセッティングでもそう。なぜやるのか、その会議や商談を経て次にどこに進みたいのか、目的を明確に言葉で定義しておくだけで、参加者のモチベーションもスタンスも劇的に変わるはず。

【2】 相手が何を大切にして働いているのか想像すること

次に大事なのは、自分が協力してほしい人にとって「一番大事なことは何か」を想像して依頼をかけること。

例えば、身近な上司に褒められたいとか、今の会社で出世したいとか、そういうことを大事だと思っている人が相手なら、自分のプロジェクトに関わってもらうとそれが実現される可能性が高いってことを示せばいい。

言語化力 言葉にできれば人生は変わる(SBクリエイティブ)

逆にそういうことはどうでもよくて、「社会のためになることがやりたい」と思っている人が相手なら、自分のプロジェクトがいかに社会貢献につながるかを説明して口説くべき。

そうやって、相手の価値観に合わせて提案するってことが調整をスムーズに進めるカギです。

仕事っていうのは1人じゃできないもの。複数の人が関わって進めていく以上は、必ず「調整」が必要になってくるんだよね。これは、営業職に限った話ではなく、エンジニアでも、クリエーターでも、どんな人でもそうだと思う。

だから、調整仕事を「無駄だ」なんて言うなよ。ビジネスパーソンとして必須かつ重要なスキルであることは間違いないし、君にとって“最強の武器”になるはずだからさ。

(取材・文/石川香苗子 撮影/川松敬規 

企画・編集/栗原千明<編集部>)

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『20's type』編集部

『20's type』は、キャリアデザインセンターが運営するWebマガジン。2018年4月より『営業type』からサイト名をリニューアル。新時代を生きる20代若手ビジネスパーソンの「働く力」を育むために役立つ情報を発信している。

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