LINE、スマホ決済と広告事業に見えた構造変化

激戦続くキャッシュレス、収穫期は訪れるか

とはいえ、不安要素もある。冒頭に触れたとおり、LINEとZHDは2020年10月までの経営統合を目指している。統合した際には、ZHD系の「ペイペイ」と足並みをそろえるなど、LINEペイの戦略が変化する可能性は小さくない。

ヤフーとの経営統合がLINEの戦略転換につながる可能性も(撮影:尾形文繁)

ZHDは、1月に行った2020年3月期の第3四半期決算説明会で、ペイペイの来年度の方針について、還元攻勢の手を緩めず「今年度と同じくらいのコスト感で進むと考えている」(坂上亮介CFO)と示している。

他方、LINEの金融事業全体に目を向ければ、Visaブランドで展開を予定する「LINE Payクレジットカード」の発行に向けオリエントコーポレーション(オリコ)と締結していた業務提携を1月末に解消した。キャッシュレス決済を取り巻く市場が急速に変化していることが理由だという。

同カードは入会した初年度に3%という比較的高いポイント還元を行う点、国内外で利用できる点などをアピールし、金融事業拡大の切り札としてLINEが用意していたものだが、いったん振り出しに戻った格好だ。

金融系の新サービスに照準

もっとも、「より条件のいい提携先が見つかったということでは」(金融業界関係者)との見方も出ており、内実はわからない。

LINEはLINE Payクレジットカード以外にも、「LINE証券」(野村ホールディングスとの合弁で展開、2019年8月開始)、「LINE Bank」(みずほフィナンシャルグループとの合弁で展開、2020年度中の設立予定)など、金融系の新サービスに力を注ぐ。これらと決済を絡め、総合力で稼ぎ方の“勝ちパターン”を生み出せるかが今後の収益拡大のカギとなりそうだ。

今回のLINEの決算でもう1つ注目したいのが、広告事業だ。これはアプリ内の至る所で展開する広告から得られる収益で、LINEの売上高の過半を占める稼ぎ頭である。この広告事業が2018年の第4四半期以降、前四半期比でほぼ横ばい状態で推移していたが、直近の四半期(2019年10~12月)には同10%超の成長を遂げた。

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