ミニストップ「マクドに挑んだ」独自の成長戦略 狙ったのはファストフードとコンビニの合体

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しかし、コンボストアにしたことで、思わぬ効果が表れた。当時のコンビニは学生や、20代、30代の独身男性がメインの顧客層であり、今と違って女性客は少なく、ましてファミリー層の利用はごくわずかにとどまっていた。それが、ファストフードが吸引したことによって、子ども連れの主婦にも利用動機が生まれた。

こうした客層の変化がコンビニ部門にも波及して、婦人向けの女性誌が他チェーンの5倍、ベビー用品やファンシー雑貨、エンド陳列したサンリオのハンカチなども非常に売れたという(『食品商業』1981年10月号)。その点で、客層を拡大した画期的な試みであったと評価できる。

ただ、1つ誤算があったのが、マクドナルドの圧倒的な店舗数の拡大である。1980年ごろは300店に届く程度であった。しかし、1985年には500店舗となり、1993年には1000店舗を超え、1999年には3000店舗を突破している。

ヒット商品「ハロハロ」で狙った差別化

バブル崩壊後の1990年代は「バリューセット」によりお値打ち感を前面に出し、単品価格も下げて消費者の支持を得た。

『コンビニチェーン進化史』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

2000年には平日半額により、ハンバーガーを65円にまで下げてデフレ経済の象徴とも見られた。

ミニストップのファストフード部門にとっては、単体で戦える相手ではもはやなく、春夏のコールドスイーツの訴求、あるいは、コンビニ+ファストフードの「利便性」を軸にした集客方法へとスイッチしている。1995年には、かき氷をパフェ感覚で提供する「ハロハロ」を店内製造商品として発売し、夏のスイーツとして定着させ、独自の商品分野を開拓して、他のファストフードとの差別化を試みている。

ちなみに、ミニストップの屋号の由来は次のように記されている。

(ミニストップHPより)
近くの街角にありちょっと立ち寄れるところという意味の「Minute Stop」から日本人になじみやすく『立ち止まって、次に前進する』という意味も込め、発音しやすく、親しみやすい『MINISTOP』になりました。

ストップには「立ち寄る」の意味がある。阿部幸男によるとミニストップ創業当時、アリカのコンビニで店名に「ストップ」を冠するチェーンは、ショート・ストップ、キック・ストップ、ストップン・ゴー、ストップン・ショップ、ストップン・サーブ、リトル・ショートストップなど、非常に多かったという。

梅澤 聡 エディター(外部食研究家)
うめざわ さとし / Satoshi Umezawa

大学卒業後、西武百貨店に入社、ロフト業態の立ち上げに参加。その後、商業界に入社、月刊『コンビニ』、月刊『飲食店経営』の編集長を歴任し、2015年よりフリーランス。中食市場が拡大する現況下、コンビニの中食、それに飲食店の外食を結び付けた「外部食」を1つの市場と捉え、スーパーマーケットの「内食」に対して「外部食」のマーケットとマネジメントをテーマに執筆・編集を続けている。

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