コンビニが「個人商店を駆逐する」日本のヤバさ 地方金融機関がどんどん体力を失っている
オーナー側の不満噴出に、揺らぐコンビニ業界
人手不足の中で時短営業を主張していた東大阪市の「セブン-イレブン」のオーナーに対して、本部からは契約解除の通告がされるなど、対立が深刻化しているようです。
これはフランチャイズ本部と、フランチャイズ加盟者であるオーナーとの対立であり、個別の問題という見方もできます。ですが、ここ数年、とくにコンビニという業態においては、オーナー側からの不満が報じられることが多くなってきたのは事実です。
▼売り切れへのペナルティが厳しい一方で、売れ残り廃棄は各店の責任になる
▼季節商品のノルマが厳しい
▼安売り店の小売価格より高い仕入れ価格を適用される
▼24時間365日の営業を強制される
▼成功していたら同じチェーン店が周囲に「ドミナント出店」して収益を食われた
もちろん、上記の中には社会的批判の高まりによって改善されつつある条項もありますが、全体的には本部が優越的立場を使って、現場に負担を強いている(少なくともそのような印象を受ける)のは事実だと思います。
では、本部は悪どいことをやって収益を吸い上げているのかというと、そこまでの批判はあたらないと思います。確かに本部では、大企業として大きな間接部門を抱えており、そのコストを捻出するためにロイヤリティーなどの収益があてられているのは事実ですが、本部の行う商品開発やマーケティングなどがなくてはチェーンの発展もないことを考えると、すべてが悪質な利益の吸い上げとは言えないからです。
チェーンの中で、「セブン-イレブン」に批判が多いのは、ほかの大手チェーンがコンビニ専業であるのに対して、セブンの場合は「セブン&アイ・ホールディングス」として、百貨店事業(西武+そごう)やスーパー事業(イトーヨーカドーなど)の「負の遺産」を抱えている点から、コンビニが「より稼いで全体を支える」必要に迫られているからとも考えられます。