1月27日から2月9日までに公表された感染確定情報によると、温州市の448人の感染者の内202人は、武漢及びその周辺地域にいたことがあると確認されている。また、武漢及びその周辺地域から温州へ戻ったのは3.3万人で、全員が1月29日までに戻っている。これにより研究者は、調査対象者の1月29日までの感染率は約0.61%だと見積もった。
しかし、温州の人々の多くは武漢でビジネスをしており、普通の人に比べて他人との接触機会が多いため、このデータを基に武漢全体の感染率を推算するのは正確さに欠けるとも述べている。
そこで研究者は、武漢からシンガポールへ旅行した人々の発病率を基に、約0.61%という結果に修正を加えることを決めた。
2019年12月30日から2020年1月22日まで、合計で1万680人が武漢からシンガポールへ旅行しており、その中の少なくとも33人が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。研究者は、このグループの1月23日までの感染率は0.3%以上であり、1月29日までの感染率はそれを上回るだろうとしている。
家庭内の感染確率の上昇を考慮すると…
研究者はこの2つのグループの感染率をまとめ、1月29日までの武漢の感染率は0.3~0.6%だとしている。武漢市政府が行った1月26日の記者会見によると、春節(旧正月)期間中、もともと武漢にいた1400万人中500万人が武漢を離れ、900万人以上は留まっていた。
0.3%という感染率を基に計算すると、武漢には4万2000人の感染者がおり、その内2万7000人が武漢の市街地に、1万5000人が武漢の周辺地域にいたことになる。0.6%で計算すると8万4000人の感染者がおり、その内5万4000人が武漢の市街地に、3万人が武漢の周辺地域にいたことになる。
1月29日以降の十数日間、温州市は感染が疑われる人や感染者と濃厚接触した人を集中隔離するなど、厳格な管理措置をとったが、市内の感染者数は未だ膨れ上がっている。財新記者が調べたところ、1月29日の温州市の累計感染者数は172人、2月9日には2.6倍の448人まで増加した。
だが、武漢市には自宅に隔離されている感染が疑われる人や、軽症の感染者などがいることを考慮すると、家庭内感染の確率は上がることになる。そこで研究者は、武漢市内の感染者は5万4000~9万人に達すると予測している。その最小数である54000人は上述の2万7000人の2倍であり、最大数の9万人は家庭内で感染確率が上がることを考慮した結果である。
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