生理前の不調に悩まされる「妊活女性」の現状

PMS・PMDDの治療と妊活は両立できるのか?

PMS、PMDDに悩み苦しみながら妊活する女性たちの事例を紹介する(写真:HIME&HINA/PIXTA)

関東在住、26歳の伊倉一実さん(仮名)は、夫と実母との3人暮らし。

夫とは交際中からよくけんかをしており、2018年には大げんかの末に別れ話にまで至ったが、仲直りをして結婚。昨年9月からは夫の希望で妊活をスタートしたが、伊倉さんは生理周期に合わせて、必ずひどい頭痛に悩まされていた……。

バイエル薬品が制作し、婦人科などで配布している冊子(『生理前カラダの調子やココロの状態が揺らぐ方へ PMS 月経前症候群』)によると、約74%の女性が、月経前や月経中に体や心の不調(月経随伴症状)を抱えているという。

月経随伴症状とは、月経前はPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)、月経中は月経困難症と呼ばれる症状だが、日本ではまだあまり知られていない印象だ。

しかし、ホルモンバランスの変化により、精神状態や体調が変化することに気づき、悩んでいる女性は少なくない。

そこで、実際にPMSやPMDDに苦しむ女性の事例を紹介することで、PMSやPMDDについての理解を社会に広められたらと思う。

1人になれないときが一番つらい

伊倉さんが「PMSかな」と思い始めたのは、大学入学後に1人暮らしを始めてから。

PMDDという言葉を知ったのはまだ4〜5カ月前だが、症状を意識し始めたのは約3年前、夫と付き合い始めた頃だ。

伊倉さんの生理周期は28~31日。頭痛は、基礎体温ががくっと下がる1週間前・3日前・前日に必ず起こり、だんだんひどくなるうえ、生理前日には嘔吐してしまう。まともに目を開けていられないほどの痛みで、起きていても横になっていても痛みは変わらない。

風邪のときなどの頭痛と明らかに違い、生理前の頭痛は後頭部に五寸釘を打ち込まれるような痛みなので、「あ、そろそろ生理が来るな」とわかりやすい。

また、排卵後~生理直後の間に感情の揺れが大きくなることが時々あった。

仕事が忙しかったり、人間関係でストレスを感じることがあると、生理前に気持ちが深く沈む。夫や母親も例外ではなく、人と接するのが苦痛になる。会話をしたくないだけでなく、食器やテレビの音などの生活音が頭に響いてイライラするため、「とにかく1人になりたい」という気持ちが強く、理由もわからず泣きたくなる。

「そんなとき、母親は『生理でつらい』と言えばそっとしていてくれます。夫は私が体調が悪くて寝ていても、そっとしておいてくれないことが多く、あらかじめ説明してあるのにやたらと気にして話しかけてくるのでイライラしてしまいます。『生理が近いから』と言うと『なるほどね』とは言いますが、本当にわかっているのか……」

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