――片やプライベートでは、30代になると、それまで女の子とチャラチャラ遊んでいた人たちも、生涯の伴侶とか考えないといけないわけですよね。
それは、個人個人の考え方で、僕は別に結婚しても結婚しなくても、どっちでもいいと思う。自分の人生だからね。たまたまそういう出会いがあれば、結婚してもいいと思うし。それもね、あまりこうしないといけないとか、考えないほうがいいと思います。僕の周りでも、結婚した人としなかった人で半々ぐらいだし、結婚した中で子どもがいるいないも半々ぐらいです。人それぞれですよ。
40代は男の人生の分かれ道、下手するとおじいちゃん化!
――男の20代は幼稚園児、仕事も趣味もがむしゃらに。30代は中学生。仕事を頑張り、世界に目を向け、趣味を絞っていく、と。そして、40代になると、次は高校生ですか?
40代が実はいちばん、男の人生がふたつに分かれる時期のような気がしています。自分の楽しみをそのまま維持したり、見つけていったりする人もいれば、一方で定年から逆算して考えてしまって、「おじいちゃん」みたいになっている人もいる。40代は顕著に二極化してしまいますね。
――その分かれ道を左右するのが20代、30代での経験ということでしょうか?
そうですね。それまでの蓄積ですよね。40代はどうしても子どもが大きくなって、教育におカネがかかったりするから、なかなか自分の趣味に時間やおカネが使えなくなるという事情もありますけど、それでも自分の人生を楽しみたいというか、自分のやりたいことをやっていく人も当然います。そこは本当に考え方次第で変わりますね。
――おじいちゃんになってしまわないための注意点は何でしょうか?
「精神的におじいちゃん化してしまう」という意味なのですが、そうならないためには、逆算をしないことだと思います。定年がこのくらいだからと、そこからおカネのこととか、いろんなことを逆算しちゃうと、もうやれることは限られてしまいますよね。それがいちばんよくないと思います。もちろん、堅実な人生を歩むのだといって、逆算するタイプの人もいっぱいいますから、否定はしませんけど、僕の場合はそうじゃなかったですね。逆算はしない。
――逆算すると、可能性が狭まるということでしょうか?
せっかく40代までやってこれたんでしょ? 仕事もそこそこうまくいって、ここからさらに面白くなると思ったほうが楽しいじゃないですか。50代、60代にもっと楽しいことがあるんじゃないかと思ったほうが、しんどいことがあっても乗り切れますしね。僕もそうでしたから。
――そのために、やってきたことや、気をつけたこととは?
40代でやったことは、仕事に関しては、新しいことを自分でやるか、若い人に新しいアイデアをどんどん出してもらって、みんなで作り上げていくことですね。とにかく新しいことをつねにやってないと、精神的にも停滞しちゃうし、上に立つ人間の場合だと、組織全体も停滞しちゃうから、常に新しいことをやっていかないとだめだと思います。