1人8万円はお得?ゴルフ場ヘリ送迎の実力 需要開拓へPGMが新サービス

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しかも、一般的なヘリコプターの遊覧飛行は15分で一人2万円程度。チャーターの場合、5人乗りで1時間64万円。ゴルフのプレー中もパイロットと整備士は待機していることなどを考えると、安いということもできる。

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1億円を投じて、内装を大幅に改装

ヘリの機体はアグスタ・ウエストランド社(イタリア)製の「AW109SP機」だ。巡航速度は約296キロメートル、飛行可能範囲は約800キロメートル。

機内は約1億円かけて大幅に改装されている。シートは革製の特注品、防音を施した室内ではヘッドセットなしで会話が可能だ。空調も完備し、フライトは快適そのものだ。

ここで一つの疑問が湧いてくる。PGMの採算が合うのか。

オーナー所有のヘリを活用

実は、このヘリの所有者はパチンコ機製造大手・平和のオーナーだ。平和は、PGMの親会社PGMホールディングスの株式の80%を持つ。「せっかくの機体を遊ばせておくくらいならばPGMのサービスに使ったらどうか」、というオーナーの提案からサービスが始まった。

PGMはヘリの購入や改装などの費用をほとんど負担していないため、価格を抑えることができたという。

PGMの高級コースは茨城、栃木など遠方のコースが多い。ヘリプランを用意することで、それら高級コースにおカネのある富裕層を取り込む狙いがある。ヘリプランでコースのブランド価値を上げられるという算段もある。

もっとも、PGMが重視しているのは、短期的なそろばん勘定ではなく、ゴルフ市場の活性化だ。2012年のゴルフ人口は790万人とピークから45%減少。さらにコアのゴルファー層の高齢化で今後、急速な市場縮小が懸念される。

ゴルフの欠点は手軽ではないこと。プレー代が高い、場所が遠い、といった課題がある。PGMはヘリプランにより、場所が遠いという点が解消でき、一定の法人需要は喚起できると見込んでいる。

PGMは、ゴルフだけではなく、バーベキューやランニング、サイクリングなどアウトドアを楽しむ新コンセプトのゴルフ場を提案(現在、改装中)するなど、ゴルフの門戸を広げようという試みも行っている。

ヘリ送迎でゴルフ。バブル時代を彷彿とさせるプランだが、業界環境はバブル期とはまったく異なっている。

山田 雄大 東洋経済 コラムニスト

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やまだ たけひろ / Takehiro Yamada

1971年生まれ。1994年、上智大学経済学部卒、東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部に在籍したこともあるが、記者生活の大半は業界担当の現場記者。情報通信やインターネット、電機、自動車、鉄鋼業界などを担当。日本証券アナリスト協会検定会員。2006年には同期の山田雄一郎記者との共著『トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇』(東洋経済新報社)を著す。社内に山田姓が多いため「たけひろ」ではなく「ゆうだい」と呼ばれる。

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