スズキ「新型ハスラー」のデザインは何が売りか タフで力強い要素が入り大胆に変化した

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タフな方向へシフトしたのはリサーチの結果だった。旧型が発売された2014年は、アウトドアファッションは実際にキャンプなどに行く人がまとうことが多かったが、最近は街中でハードなスペックのウェアを着たり時計をつけたりというコーディネートが目立つようになった。そんな時代の変化を反映したそうだ。

旧型ハスラーの外観(筆者撮影)

ボディサイドでは、旧型はサイドウインドーのすぐ下で前後フェンダーを盛り上げつつ、黒い樹脂部分の周囲を窪ませるなど、かなり凝った造形だったが、新型は全体で張りを表現する手法になった。

ハッチバック車的な面構成だった旧型に対し、新型はSUVっぽい面の作り方になったという感じがした。この進化の過程はジムニーに似ている。ジムニーはプロユースであり、ライフスタイルを提案するハスラーとはコンセプトが違うという説明もあったが、四角いクルマを好むトレンドを参考にしたという点では共通しているだろう。

ヘッドランプとグリルは旧型の配置を踏襲

それ以外ではフロントドアの三角窓がなくなり、ドアミラーがドアパネルから生えるタイプになったことに気づく。最近の自動車では珍しかったフロントドアの三角窓は、ピラーをやや後ろ寄りにすることで不要になった。ドアミラーは運転支援用センサーの装着を考えた結果でもあるだろう。

それでもハスラーだとひと目でわかるのは、ヘッドランプとグリルのおかげだ。デザインを進める段階では、ヘッドランプとグリルをつなげる案もあったそうだが、それではハスラーに見えないということで旧型の配置を踏襲したという。縦長のリアコンビランプとバンパーに装着したナンバープレートというリアビューも同じだ。

当サイトで以前紹介した現行ジムニーも、初代や2代目のデザインのモチーフを巧みに取り入れ、ジムニーらしさを高めることに成功している。スズキは国内自動車ブランドの中では、こうしたアイデンティティの表現がうまい。

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