確定申告「頼れる税理士」を選ぶための心得7選 国税OB、試験突破者で違う、専門分野も個人差

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個人事業者や小さい法人に税務調査が入った場合、駆け込み的に税理士に依頼することもままある。この場合は、立会料以外に年間顧問料の半額程度の別途料金が必要となる。

税理士の中には、税務調査での「駆け込み依頼」を専門とする事務所もあり、「税務調査で困った場合は依頼してください」などとうたっている。こうした事務所は、減額された追徴税の何割かを成功報酬とするケースが多い。

税務署との交渉の余地がない(追徴税を減額する余地がない)と判断された場合は、依頼を断られることもあるが、立会料は別途請求されることがある。

遺産額が1億円未満なら自分で申告するのも手

相続税の場合、日ごろ、税務申告などはしたことがない人も多い。よって必然的に税理士に依頼するケースが増える。ただ、相続税での税理士依頼は気をつけなくてはならない。というのも、相続税にはさまざまな控除制度があるので、現実的には数千万円から1億円程度の遺産では相続税はほとんどかからない。それに比して、相続税の税理士報酬は非常に高い。

相続税の税理士報酬は、相続税の額ではなく、相続資産の額に応じてかかることがほとんどだ。報酬の相場は、だいたい相続資産の0.5~1%とされている。

1億円の相続資産がある場合は、最低でも50万円程度、1億円を下回る場合、最低でも0.5%かかる。だから、1億円の相続資産がある遺族が、相続税ゼロ円の申告をする際に、50万円以上の税理士報酬を払わなくてはならないケースも出てくる。

相続税の申告書はけっこう複雑で、税務に不慣れな人には取っつきにくい。しかし、税務署に指導を仰げば、素人でもできないことはない。相続税額はゼロなのに税理士報酬を何十万円も払うのはバカバカしいので、遺産額が1億円程度の遺族はぜひチャレンジしてほしい。

大村 大次郎 元国税調査官

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おおむら おおじろう / Ojiro Omura

国税局に10年間、主に法人税担当調査官として勤務。退職後、ビジネス関連を中心としたフリーライターとなる。単行本執筆、雑誌寄稿、ラジオ出演、『マルサ!!』(フジテレビ)や『ナサケの女』(テレビ朝日)の監修等で活躍している。ベストセラーとなった『あらゆる領収書は経費で落とせる』をはじめ、税金・会計関連の著書多数。一方、学生のころよりお金や経済の歴史を研究し、別のペンネームでこれまでに30冊を超える著作を発表している。『お金の流れでわかる世界の歴史』は「大村大次郎」の名前で刊行する初めての歴史関連書である。近著に『税務署対策 最強の教科書』『「土地と財産」で読み解く日本史』。

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