令和時代を生きる20代女性が発した切ない言葉 女でも稼げる仕事がしたい、の大きな意味

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――女性が給与交渉をしない・できない理由は、他にもあると思いますか?

酒向:少し回答がずれるかもしれませんが、「稼ぐこと」に恐怖心がある人もいると思うんですよね。

先ほどの管理職の話と同じように、たくさん稼ぐというのは人並み以上に頑張ることで、特別な努力が必要なことだと思っている。

つまり、仕事に自分の人生を費やさないといけないと思い込んでいるところがあるのではないでしょうか?

――「もっと高い給料を」と交渉することは、時間的にたくさん働くこととトレードオフだと思っている人もいるということですよね?

酒向:はい。でも、そんなこと考える必要は全くないと思います。

稼ぐために命を削るようなことはしなくていいし、自分の大事にしたいものを守りながら働いていけるなら、出世も怖いものじゃない。

裁量と給料が増えるなら「うれしいな」くらいの気持ちでいいと思うんですよ。

普通に働いて、普通に稼いでいける社会を

治部:収入は多い方が明らかにいいですよね。都内で一人暮らしなんてしていたらなおさらそう。

特別な人でなくても、皆が普通に働いて、稼げるのが当たり前(写真:Woman type)

生活に困らないのは当然のこと、好きなことにお金を使ったり、少しはゆとりのある暮らしができないと、人生を楽しむ気持ちも萎んでしまいますから。

この対談を通してずっとお話ししてきましたけど、たいていの場合、女性が「自分には能力がない」とか「稼げない」って思ってしまう理由って、社会にそう規定されてしまっているからっていうのが大きいんですよ。

だからこそ言いたい。特別な人でなくても、皆が普通に働いて、稼げるのが当たり前なんだよって。

酒向:収入にはちゃんとこだわっていけるといいですよね。稼ぎたい気持ちがあるなら、それを表明して。

すると、「私もそう思ってた」って共感してくれる人たちが、自然と周りに集まってきてくれる。前回Twitterで自分の意見を発信してみて、特にそう思いました。

性別に関係なく、皆が普通に働いて、普通に稼いでいける社会を、私もつくっていきたいと思います。

(取材・文/瀬戸友子 企画・編集/栗原千明〈編集部〉

撮影/洞澤佐智子〈CROSSOVER〉)

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『Woman type』編集部

「Woman type」は、キャリアデザインセンターが運営する情報サイト。「キャリア」と「食」をテーマに、働く女性の“これから”をもっと楽しくするための毎日のちょっとしたチャレンジをプロデュースしている。

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